
いや〜,凄すぎる面子のスーパー・セッション。“奇才”佐藤允彦が主催する超豪華なバブル景気のスーパー・セッション。
それが「セレクト・ライヴ・アンダー・ザ・スカイ’90」における「ランドゥーガ」であり,ライブ盤『RANDOOGA〜SELECT LIVE UNDER THE SKY ’90』(以下『ランドゥーガ〜セレクト・ライヴ・アンダー・ザ・スカイ’90』)である。
セッション・リーダー=佐藤允彦の考える「がらんどう」のアナグラムが「ランドゥーガ」。
そう。「ランドゥーガ」が志向する音楽性のキーワードは,ジャズではなくフュージョンでもなく“民謡”であった。
出てきた音楽は,勢い一発“どんちゃん騒ぎ”な阿波踊り風?であって管理人の好みではないのだが,この面子が集まったのだから,演奏のクオリティは相当に高い!
「アウト・オブ・ザ・ワールド」な国内と国外の混成メンバーで,日本の伝統音楽を“くくり”とした“ごった煮”ジャズ! 管理人お目当てのウェイン・ショーターもアンサンブルの波に呑み込まれたのか?ソロ以外に見せ場がないのはご愛嬌?
「ランドゥーガ」の面々が,誰かが弾いたフレーズを,なぞったり,横取りしたり,解体したり,色付したりして「遊び倒す」!
「音が同時に鳴れば,それがハーモニーになる」という約束事で構築された,インプロビゼーションを交えたアンサンブルこそ「大人の音遊び」!
そう。「ランドゥーガ」のコンセプトは“やったもん勝ち”! 面白いと思うものにみんなで乗っかっていく感じ? アンサンブルの輪の外でインプロヴィゼーションの“連続技”が縦横無尽に飛び交っている。うおお〜。

リズムにしろアンサンブルにしろ合ってもいいし合わなくてもいい。逆にズレることが面白い。テンポを自由に変化させたり,同じフレーズを好き勝手に繰り返したりコブシを効かせてみたりして…。
あれっ,それって,よくあるジャム・セッション? そう感じさせないのは百戦錬磨のスーパー・ミュージシャンの集まりだから?
いいや,それこそ「セレクト・ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」が“夏祭り”だから…。「がらんどう」→「ランドゥーガ」が“民謡”だったのだから…。
01. SEINE DRAGGING SONG
02. THE KING BEHIND THE MASK
03. SUTEMARU
04. WELL DIGGER'S SONG
05. TANOKURO-BUSHI
06. USSAN-UTPOPO
07. SEEDING DOWN
RANDOOGA
MASAHIKO SATOH : Keyboards
ALEX ACUNA : Drums
RAY ANDERSON : Trombone
TAKAYUKI HIJIKATA : Guitar
KOHSUKE MINE : Sax
AKIRA OKAZAWA : Bass
WAYNE SHORTER : Sax
MIDORI TAKADA : Percussion
KAZUTOKI UMEZU : Sax
NANA VASCONCELLOS : Percussion
(エピック・ソニー/EPIC/SONY 1990年発売/ESCA 5171)
(ライナーノーツ/佐藤允彦)
(ライナーノーツ/佐藤允彦)
エレミヤ書13章 矯正できないユダは捕囚にされる
ART ENSEMBLE OF CHICAGO 『苦悩の人々』