FAMILY TREE-1 梶原順浅野“BUTCHER”祥之の“双頭”ギターのバンド・サウンドが躍動する『FAMILY TREE』。「J&B」の4人が「インディーズ時代以上にインディーズ」している。
 ズバリ『FAMILY TREE』こそが「J&B」の“最高傑作”である。

 あれがメジャーの洗礼なのか? 前作『THE TIME 4 REAL』の失敗を受けて『FAMILY TREE』では「J&B」が“本当にやりたい”と思える音楽を創造している。
 あの「へなちょこぐるぐるべろべろ」だったヴォーカル抜きの完全ギター・インストなのがうれしい。

 『FAMILY TREE』のサウンドとは“骨太ロック”である。いいや“ソウル”であり“リズム&ブルース”である。
 そう。「J&B」のバンド名は,梶原JUNの「」と浅野“BUTCHER”祥之の「」から取られた,双頭バンドの頭文字,の意味だけではない。
 「JAPANESE“R&B”」を略した「J&B」のダブル・ミーニングだと勝手に思っている。

 これは絶対に「J&B」に個性がないという感じで読んでほしくないのだが,これまでの「J&B」は『J&B』では,グラント・グリーンラリー・カールトンを『THE TIME 4 REAL』では,ロベンフォードを感じたのだったが,今回の『FAMILY TREE』では【FOOTS】を演っている影響もあるのだろう。ついに,スタジオ・ミュージシャン集団の頂点にしてツインギターの頂点=「STUFF」を感じてしまった。

 「J&B」のバンド・サウンドが,ついに世界レベルにまで花開いたような感触を抱いた。コーネル・デュプリーエリック・ゲイルの織り成す「GROOVE」と同じ「GROOVE」を梶原順浅野祥之に感じてしまう。
 自然体で音楽ができる大人のミュージシャンの野性を,余裕を,茶目っ気を,覇気を,グルーヴ感を,そして音楽への愛を,もうどうしても,感じてしまうのだ。

 『FAMILY TREE』を聴いてると自然に体が揺れてくる。(2台のギターを含めた)4つのリズム楽器が交わる瞬間の“うねり”が最高に心地良い。
 ここは是非ともJVCさん。『FAMILY TREE』の海外リリースを段取ってくれないかなぁ。海外の反応が相当に楽しみぃ。

FAMILY TREE-2 一つの音を大切にする“一音入魂”な「J&B」。軽快かつ深みのある豊かな音で表現する「J&B」。「J&B」とは「JAPANESE“R&B”」。

 『FAMILY TREE』には日本の音楽文化が育て上げた,梶原順浅野祥之松原秀樹沼澤尚の4人のスーパー・バンド「J&B」の「魂の音」が刻まれている。

 「魂の音」…。それはレクイエム…。【GOOD BOY…DEDICATED TO RIKKI】→【GOOD BOY…DEDICATED TO BUTCHER】…。ブッチャーさん…。

  01. AT THE RIGHT PLACE
  02. SI! SI!
  03. INSIDE
  04. OUTSIDE
  05. NOWADAYS
  06. GOOD BOY…dedicated to Rikki
  07. PINK CASHMERE
  08. そんなこと知るかい
  09. あたりめ
  10. FOOTS
  11. LAGOON

(ビクター/JVC 2004年発売/VICJ-61203)

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