
買い直しの理由は,普通であれば「好きすぎて」とか「CD聴きすぎて傷んじゃったので」などであろうが『ライト・アズ・ア・フェザー(完全盤)』の場合は「リベンジ」である。「未発表テイクの『完全盤』は,こんなはずじゃないだろう」という思いから来たモチベーション即買いであった。
そう。管理人は,巷で名盤として名が通っているにしては『ライト・アズ・ア・フェザー』の出来に疑問が残っていた。ずっと喉仏に魚の骨が刺さっている感じ?
あのチック・コリアが,あのリターン・トゥ・フォーエヴァーが,この程度のアルバムを作って満足したなんて信じられない,の思いに駆られてしまっていたのだった。
しかし『ライト・アズ・ア・フェザー』は『完全盤』でもダメだった。『ライト・アズ・ア・フェザー(完全盤)』は【WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY】を聴くためだけのアルバムであった。
ズバリ『ライト・アズ・ア・フェザー(完全盤)』の真実とは『リターン・トゥ・フォーエヴァー(完全盤)』であって,チック・コリアのソロ名義『リターン・トゥ・フォーエヴァー』の別テイク集であった。
そう。『ライト・アズ・ア・フェザー(完全盤)』は『ライト・アズ・ア・フェザー』の「リベンジ」目的で聴くアルバムではなく『リターン・トゥ・フォーエヴァー』未発表音源集として聴く方が“しっくり”くる。

そもそも『ライト・アズ・ア・フェザー』が不調なのは【SPAIN】の初演の不出来にある。
ジャズにおいてはスタンダードを除いて,初演こそが最高,というパターンが多い。テイクを重ねたりアレンジを変えたりするのもいいのだが,やっぱりオリジナルは特別なはずなのに【SPAIN】の初演がグッと来ない。
まさかの肩透かしで,一気にグループとしてのリターン・トゥ・フォーエヴァーへの熱が冷めてしまった。あ〜あっ。
DISC 1
01. YOU'RE EVERYTHING
02. LIGHT AS A FEATHER
03. CAPTAIN MARVEL
04. 500 MILES HIGH
05. CHILDREN'S SONG
06. SPAIN
DISC 2
01. MATRIX
02. LIGHT AS A FEATHER (ALTERNATIVE TAKE)
03. 500 MILES HIGH (ALTERNATIVE TAKE)
04. CHILDREN'S SONG (ALTERNATIVE TAKE)
05. SPAIN (ALTERNATIVE TAKE)
06. SPAIN (ALTERNATIVE TAKE)
07. WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY? (
ALTERNATIVE TAKE)
08. WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY? (
ALTERNATIVE TAKE)
09. WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY? (
ALTERNATIVE TAKE)
10. WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY? (
ALTERNATIVE TAKE)
(ポリドール/POLYDOR 1998年発売/POCJ-2677/8)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/ゴンザレス鈴木,ベン・ヤング,ポール・デバロス)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/ゴンザレス鈴木,ベン・ヤング,ポール・デバロス)
コメント一覧 (2)
今さら感は否めないですが、ついに手に入れました。もちろん完全盤の方です。
正直な感想を述べると、私も管理人さんの批評に激しく同意です。
批評の中で出てきた「ずっと喉仏に魚の骨が刺さっている感じ」という表現が最高にピッタリハマっております。言い得て妙です。消化不良感とでも言うのでしょうか。
アルバムに収録されている曲を見れば、何度も再演されている名曲なはずなんですけどね。
「Live盤のアレンジを聴きすぎて、初演が物足りなくなる」という例の現象のような気もしてしまいます。
私としては『What Game Shall We Play Today?』を聴くためではなく、『Spain』のアランフェスの部分聴くためのアルバムと化してしまいました。
今さらでもいいんです。聴いていくことに価値があります。積み重ねはウソつきません。←「努力は必らず報われる」by たかみな〜。
で「ずっと喉仏に魚の骨が刺さっている感じ」がピッタリでしょ? 消化不良感ありありでしょ?
「Live盤のアレンジを聴きすぎて初演が物足りなくなる」。そんなRTFにもう一度合ってみたいですねっ。