
しかし,もう一度だけチック・コリアを信じてみたくなった。
その理由はいろいろあるが,一番の理由は小曽根真の『BREAKOUT』である。チック・コリアと小曽根真って,テクニカルでクラシカルな共通点があるものでして,チック・コリアに『BREAKOUT』のようなアルバムを勝手に求めてしまった。
さて,結論から言えば『SOLO PIANO−ORIGINALS』(以下『ソロ・ピアノ パート1〜オリジナル』)は,ハズレであった。
正確には悪くはないのだが『BREAKOUT』を聴いて感動した時の“エモーション”が伝わってこないのでハズレとする。
多分,管理人はチック・コリアとはシンクロできない。チック・コリアとゲイリー・バートンのような関係性にはなれそうもない。
大概のチック・コリアのアルバムを聴き続け,チック・コリアの音楽は,ウソ偽りなしに好みなのだけど,でも親友を前にして語りあう感じにはなれない。心のドコかで,自分とは違う人だ,と感じてしまう部分がある。その最大の原因がチック・コリアの一連のソロ・ピアノ集なのだと思う。
対照的に小曽根真やキース・ジャレットの場合は,ピアノ・トリオではそこまで感じないのに,これがソロ・ピアノとなると熱狂してしまう。全身全霊を傾けて聴いてしまう何かがある。
「見えない壁を感じてしまう」チック・コリアと「ズブズブの」小曽根真やキース・ジャレットとの差。

きっとチック・コリアは“根っからの”ジャズの人ではないのだと思う。チック・コリアは,ジャンルにこだわらない全方位型の“天才”ピアニストなのだと思う。 ← 『SOLO PIANO−STANDARDS』批評との矛盾。
01. Brasilia
02. Yellow Nimbus
03. Prelude #4, Opus 11
04. Prelude #2, Opus 11
05. Children's Song #6
06. Children's Song #10
07. Armando's Rhumba
08. April Snow
09. The Chase
10. The Falcon
11. Swedish Landscape
12. Spain
13. What Game Shall We Play Today
14. Children's Song #12
(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 2000年発売/MVCL-24023)
(ライナーノーツ/チック・コリア,小川隆夫)
(ライナーノーツ/チック・コリア,小川隆夫)
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