
プログラムは収録順に,ボビー・マクファーリンとのデュオ,ミロスラフ・ヴィトウスとロイ・ヘインズとによるナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス・トリオ,ロイ・ヘインズとクリスチャン・マクブライドとジョシア・レッドマンとテレンス・ブランチャードとによるリメンバリング・バド・パウエル・バンド,ゲイリー・バートンとのデュオ,ジョン・パティトゥッチとデイブ・ウェックルとによるアコースティック・バンド,アヴィシャイ・コーエンとジェフ・バラードとスティーヴ・ウィルソンとスティーヴ・デイヴィスとティム・ガーランドとによるオリジン,ゴンサロ・ルバルカバとのデュオ,アヴィシャイ・コーエンとジェフ・バラードとによるニュー・トリオ,マイケル・ブレッカーとスティーヴ・ガッドとエディ・ゴメスとによるスリー・カルテッツ・バンド。(日本盤ボーナス・トラックとしてチャカ・カーンをゲストに迎えたニュー・トリオの演奏も収録)。
チック・コリアは,当初「過去を振り返るようなリユニオンはやりたくない」とこの企画を断った,とライナーノーツに書かれているが『ランデヴー・イン・ニューヨーク』を聴く限り,他の誰よりもチック・コリアが一番この演奏を楽しんでいる!
全ての主演者,関係者,観客からの祝福を受けたチック・コリアさん,音楽生活40周年おめでとうございます!
チック・コリアが『ランデヴー・イン・ニューヨーク』でのスペシャル・ライブを楽しんだ最大の理由は,それぞれの経験を糧にしたフレンズたちとの「新感覚のコミュニケーション」にあると思う。
それぞれのユニット毎に,そのユニットでの代表曲を演奏しているのだが,単なる過去の焼き直しでは終わらない,斬新なアレンジで歌い上げるチック・コリアの極上のピアノが響いている。
『ランデヴー・イン・ニューヨーク』は,スペシャル・ライブの性質上,チック・コリアの“音楽性の広さ”を堪能するためのプロジェクトであるが,どの演奏にもグッと来てしまう“音楽性の深いつながり”も感じられる。
やっぱりチック・コリアこそが「ジャズ/フュージョン」界の“スーパー・スター”であった。
『ランデヴー・イン・ニューヨーク』を聴いていると,何だか『ランデヴー・イン・ニューヨーク』がダイジェスト盤のように感じてくる。この後に発売される「本編プロモーションのための予告編」のように思えてくる。
そう。『ランデヴー・イン・ニューヨーク』における「チック・コリア・オールスターズ」の“演り逃げ”を聴かされては,到底満足などできやしない。2枚組では足りないのだ。1ユニット1曲か2曲では欲求不満を覚えてしまう。あの3週間連続公演のコンプリート盤を渇望してしまう。

今回のプロジェクトから,リターン・トゥ・フォーエヴァーとエレクトリック・バンドの「チック・コリアの2本柱」が抜け落ちている。
そう。『ランデヴー・イン・ニューヨーク』は「超豪華」盤に違いないけれども『ランデヴー・イン・ニューヨーク』のCD帯にある「史上最強夢のアルバム!!」のキャッチ・コピーは早過ぎた。
チック・コリアなら『ランデヴー・イン・ニューヨーク』より“もっと広く”『ランデヴー・イン・ニューヨーク』より“もっと深い”スペシャル・ライブが実現できる。
「ジャズ/フュージョン」界で「史上最強夢のアルバム!!」を制作できる,有資格者はチック・コリアだけなのですから…。
DISC 1
<CHICK COREA & BOBBY McFERRIN DUET>
01. ARMANDO'S RHUMBA
02. BLUE MONK
03. CONCIERTO DE ARANJUEZ / SPAIN
<NOW HE SINGS, NOW HE SOBS TRIO (CHICK
COREA, ROY HAYNES & MIROSLAV VITOUS)>
04. MATRIX
<REMEMBERING BUD POWELL BAND (CHICK
COREA, ROY HAYNES, JOSHUA REDMAN,
TERENCE BLANCHARD & CHRISTIAN McBRIDE)>
05. GLASS ENCLOSURE / TEMPUS FUGIT
<CHICK COREA & GARY BURTON DUET>
06. CRYSTAL SILENCE
<CHICK COREA AKOUSTIC BAND (CHICK COREA,
DAVE WECKL & JOHN PATITUCCI)>
07. BESSIE'S BLUES
DISC 2
<CHICK COREA AKOUSTIC BAND (CHICK COREA,
DAVE WECKL & JOHN PATITUCCI)>
01. AUTUMN LEAVES
<ORIGIN (CHICK COREA, AVISHAI COHEN, JEFF
BALLARD, STEVE WILSON, STEVE DAVIS & TIM
GARLAND)>
02. ARMANDO'S TANGO
<CHICK COREA & GONZALO RUBALCABA DUET>
03. CONCIERTO DE ARANJUEZ / SPAIN
<CHICK COREA NEW TRIO (CHICK COREA, AVISHAI
COHEN & JEFF BALLARD)>
04. LIFELINE
<THREE QUARTETS BAND (CHICK COREA, MICHAEL
BRECKER, EDDIE GOMEZ & STEVE GADD)>
05. QUARTE NO. 2, PART I
<CHICK COREA NEW TRIO (CHICK COREA, AVISHAI
COHEN & JEFF BALLARD WITH SPECIAL GUEST
CHAKA KHAN)>
06. HIGH WIRE
(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 2003年発売/UCGU-7008/9)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/チック・コリア,ドン・ヘックマン,小川隆夫)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/チック・コリア,ドン・ヘックマン,小川隆夫)