2015年のT−スクェアの夏は企画盤の『DOLPHIN THROUGH』で“お茶を濁して”終わりだと思っていた。
もっとも,それでいいと思っていた。『DOLPHIN THROUGH』は,管理人のこの夏最大のお気に入り。前作『NEXT』の完成度の高さを考えても,そう簡単にハイ・レベルな新曲なんて作れないのではなかろうか?
それにニュー・アルバムのリリースが遅れると,もしや待望久しい“冬CD”の発売が期待できる? 『DOLPHIN THROUGH』に続く毎年恒例のオリジナル・アルバムが出ないとしてもプラス思考で受け入れていた。自分の中で消化できていた。
だ・か・ら41枚目のオリジナル『PARADISE』のリリース情報を目にしても「ああ,やっぱり出るんだ」ぐらいのものだった…。
しかし,その考えが甘かった。『PARADISE』を聴いてみて,自分の考えが浅はかであることを反省した。安藤正容は,管理人の“遥か上”を行っていた。
ズバリ『PARADISE』は,2015年の夏に絶対発売すべき“夏CD”であった。『NEXT』とはまた違った感じで攻めてきた『PARADISE』のスクェア・サウンドが最高に気に入った!
では『PARADISE』の何が最高なのか? それは「日本の夏の原風景」というメッセージ性である。
『PARADISE』に集中すればするほど「日本の夏の原風景」が浮かび上がってくる。『PARADISE』という音楽を聴いていると「日本の夏」を描いた映画を見せられているような気分になる。
昨年の夏もあれば,遠い記憶の子供の頃の夏もある。酷暑もあれば冷夏もある。昼にはセミが鳴いていれば夜には雷が鳴っている。ピンポイントでどの曲がどうとは言えないが『PARADISE』は“夏の日のBGM”として“さらりと”仕立て上がられている。
これには『PARADISE』の曲順の流れとかも影響している。そう。1曲目から9曲目までで「初夏から晩夏」あるいは「夏の日の1日」を時系列で並べてきている。
これから夏が始まるぞ,という【MYSTIC ISLAND】でスタートして,ラストの【夏の終わり】で別れを惜しむ。ここに1つの物語がある。
少年の頃の“昔懐かしい夏休み”というよりも,大人になってからの“数日間の短い夏休み”の方がイメージとして近い。
こんな感覚は過去のスクェアの“夏CD”にはなかった。例えば『LUCKY SUMMER LADY』『うち水にRAINBOW』『ADVENTURES』『R・E・S・O・R・T』『夏の惑星』などとは明らかに雰囲気の異なる「河野/坂東時代」の“夏CD”!
T−スクェアの“新・夏CD”『PARADISE』は「現在進行形」のT−スクェアらしさが詰まったアルバムだと思う。
T−スクェア定番の王道と「変わらないために変わり続ける」変化のバランスが高いレベルで両立できている。徹底的に軽快なメロディにこだわりつつも,隠し味的にギミックで無機質なリズムで遊んでくる〜! 最高〜! 大好き〜!
「Mr.T−SQUARE」こと坂東慧のドラムとシーケンサーによる打ち込みのコンビネーションが聴き込めば聴き込む程に面白い。メロディアスでファンキーで踊れる変拍子のドラミング。
そんな坂東慧作の全5曲が素晴らしい。そして安藤正容のタイトル・トラックも素晴らしい。しかし今ではスクェアのメロディー・メーカーと言えば河野啓三のことである。
『PARADISE』のハイライトは,河野啓三作曲の【THROUGH THE THUNDERHEAD】と【ETERNAL GLORY】である。とんでもない名曲の誕生だと思っている。
『DOLPHIN THROUGH』だけでも最高の夏を過ごせたと思う。そこへ“本命”の『PARADISE』を出してきた。
加えて本田雅人から『SAXES STREET』』まで出た! 「本田期」そのまんまなスクェア・サウンドの『SAXES STREET』! こんな贅沢な「スクェアと過ごす夏」は久々である。
ここで願わくは,上記「黄金のトライアングル!」に続く“大本命”の「河野/坂東時代」の“冬CD”が発売されてこそ,安藤正容が練り上げた『DOLPHIN THROUGH』で“お茶を濁す”プランニングが結実する。
そう。『PARADISE』は『DOLPHIN THROUGH』の“出涸らし”などではなかった〜!
『STARS AND THE MOON』の録音前には『うち水にRAINBOW』と『ADVENTURES』の夏2枚か。よ〜し。『DOLPHIN THROUGH』と『PARADISE』が来たから,今度こそ冬だな。「日本の夏,妄想の夏〜」。
2015年の「猛暑」は『DOLPHIN THROUGH』『SAXES STREET』『PARADISE』の3枚を聴いて妄想しま〜す。
PS1 本田雅人の『SAXES STREET』が48分36秒。T−スクェアの『PARADISE』が48分59秒。70分が標準時なご時世でこんな偶然ってあるんだなぁ。いいや,偶然ではなくご縁が続いているのです!
PS2 もしやと思いT−スクェアのファンの皆さんにご報告です。ブログを書き続けてきたからこそ気付くことがあります。『PARADISE』からはCDの帯にもどこにも「T−スクェア」という日本語表記がなくなっています。恐らくはオレンジレディの立ち上げに合わせて,バンドの表記を「T−SQUARE」のみに統一したと思われます。以後,アドリブログでもCD表記は今後「T−SQUARE」に改訂いたします。ただし,本文中は従来通りの「T−スクェア」です。こちらを書き直すと別バンドのようで遠い存在になりそうですので。どうぞよろしくお願いいたします。
DISC 1
01. Mystic Island
02. Vivid
03. Paradise
04. Through The Thunderhead
05. 彼女と麦わら帽子
06. Eternal Glory
07. Knock Me Out
08. Night Cruise
09. 夏の終わり
DISC 2 DVD
01. First Impression
02. Surfin' On The Sky
03. Special Digest @TOYOSU PIT 2015/5/26
もっとも,それでいいと思っていた。『DOLPHIN THROUGH』は,管理人のこの夏最大のお気に入り。前作『NEXT』の完成度の高さを考えても,そう簡単にハイ・レベルな新曲なんて作れないのではなかろうか?
それにニュー・アルバムのリリースが遅れると,もしや待望久しい“冬CD”の発売が期待できる? 『DOLPHIN THROUGH』に続く毎年恒例のオリジナル・アルバムが出ないとしてもプラス思考で受け入れていた。自分の中で消化できていた。
だ・か・ら41枚目のオリジナル『PARADISE』のリリース情報を目にしても「ああ,やっぱり出るんだ」ぐらいのものだった…。
しかし,その考えが甘かった。『PARADISE』を聴いてみて,自分の考えが浅はかであることを反省した。安藤正容は,管理人の“遥か上”を行っていた。
ズバリ『PARADISE』は,2015年の夏に絶対発売すべき“夏CD”であった。『NEXT』とはまた違った感じで攻めてきた『PARADISE』のスクェア・サウンドが最高に気に入った!
では『PARADISE』の何が最高なのか? それは「日本の夏の原風景」というメッセージ性である。
『PARADISE』に集中すればするほど「日本の夏の原風景」が浮かび上がってくる。『PARADISE』という音楽を聴いていると「日本の夏」を描いた映画を見せられているような気分になる。
昨年の夏もあれば,遠い記憶の子供の頃の夏もある。酷暑もあれば冷夏もある。昼にはセミが鳴いていれば夜には雷が鳴っている。ピンポイントでどの曲がどうとは言えないが『PARADISE』は“夏の日のBGM”として“さらりと”仕立て上がられている。
これには『PARADISE』の曲順の流れとかも影響している。そう。1曲目から9曲目までで「初夏から晩夏」あるいは「夏の日の1日」を時系列で並べてきている。
これから夏が始まるぞ,という【MYSTIC ISLAND】でスタートして,ラストの【夏の終わり】で別れを惜しむ。ここに1つの物語がある。
少年の頃の“昔懐かしい夏休み”というよりも,大人になってからの“数日間の短い夏休み”の方がイメージとして近い。
こんな感覚は過去のスクェアの“夏CD”にはなかった。例えば『LUCKY SUMMER LADY』『うち水にRAINBOW』『ADVENTURES』『R・E・S・O・R・T』『夏の惑星』などとは明らかに雰囲気の異なる「河野/坂東時代」の“夏CD”!
T−スクェアの“新・夏CD”『PARADISE』は「現在進行形」のT−スクェアらしさが詰まったアルバムだと思う。
T−スクェア定番の王道と「変わらないために変わり続ける」変化のバランスが高いレベルで両立できている。徹底的に軽快なメロディにこだわりつつも,隠し味的にギミックで無機質なリズムで遊んでくる〜! 最高〜! 大好き〜!
「Mr.T−SQUARE」こと坂東慧のドラムとシーケンサーによる打ち込みのコンビネーションが聴き込めば聴き込む程に面白い。メロディアスでファンキーで踊れる変拍子のドラミング。
そんな坂東慧作の全5曲が素晴らしい。そして安藤正容のタイトル・トラックも素晴らしい。しかし今ではスクェアのメロディー・メーカーと言えば河野啓三のことである。
『PARADISE』のハイライトは,河野啓三作曲の【THROUGH THE THUNDERHEAD】と【ETERNAL GLORY】である。とんでもない名曲の誕生だと思っている。
『DOLPHIN THROUGH』だけでも最高の夏を過ごせたと思う。そこへ“本命”の『PARADISE』を出してきた。
加えて本田雅人から『SAXES STREET』』まで出た! 「本田期」そのまんまなスクェア・サウンドの『SAXES STREET』! こんな贅沢な「スクェアと過ごす夏」は久々である。
ここで願わくは,上記「黄金のトライアングル!」に続く“大本命”の「河野/坂東時代」の“冬CD”が発売されてこそ,安藤正容が練り上げた『DOLPHIN THROUGH』で“お茶を濁す”プランニングが結実する。
そう。『PARADISE』は『DOLPHIN THROUGH』の“出涸らし”などではなかった〜!
『STARS AND THE MOON』の録音前には『うち水にRAINBOW』と『ADVENTURES』の夏2枚か。よ〜し。『DOLPHIN THROUGH』と『PARADISE』が来たから,今度こそ冬だな。「日本の夏,妄想の夏〜」。
2015年の「猛暑」は『DOLPHIN THROUGH』『SAXES STREET』『PARADISE』の3枚を聴いて妄想しま〜す。
PS1 本田雅人の『SAXES STREET』が48分36秒。T−スクェアの『PARADISE』が48分59秒。70分が標準時なご時世でこんな偶然ってあるんだなぁ。いいや,偶然ではなくご縁が続いているのです!
PS2 もしやと思いT−スクェアのファンの皆さんにご報告です。ブログを書き続けてきたからこそ気付くことがあります。『PARADISE』からはCDの帯にもどこにも「T−スクェア」という日本語表記がなくなっています。恐らくはオレンジレディの立ち上げに合わせて,バンドの表記を「T−SQUARE」のみに統一したと思われます。以後,アドリブログでもCD表記は今後「T−SQUARE」に改訂いたします。ただし,本文中は従来通りの「T−スクェア」です。こちらを書き直すと別バンドのようで遠い存在になりそうですので。どうぞよろしくお願いいたします。
DISC 1
01. Mystic Island
02. Vivid
03. Paradise
04. Through The Thunderhead
05. 彼女と麦わら帽子
06. Eternal Glory
07. Knock Me Out
08. Night Cruise
09. 夏の終わり
DISC 2 DVD
01. First Impression
02. Surfin' On The Sky
03. Special Digest @TOYOSU PIT 2015/5/26
(オレンジレディ/ORANGE LADY 2015年発売/OLCH 10001〜2)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
★【初回生産限定盤】ボーナスDVD付 2枚組
★【初回生産限定盤】三方背BOX仕様
★音匠仕様レーベルコート
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
★【初回生産限定盤】ボーナスDVD付 2枚組
★【初回生産限定盤】三方背BOX仕様
★音匠仕様レーベルコート
コメント一覧 (6)
伊東さんが言ってたけど、リズムが時代を映す的な話。まさにドラマー坂東慧は時代の寵児ですね。
今回の僕のお気に入りはMystic IslandとEternal Gloryであります。
うちのキーボがVividをやりたがってますが。
冬企画、マジでないかなぁ・・・
冬CD。himebowさん周辺の力でマジでゴリ押ししていただけたら…。
坂東慧の【Mystic Island】と河野啓三の【Eternal Glory】。私も大好きですよ。でも坂東くん作の1曲を選ぶなら【Night Cruise】であります。
【Vivid】はダブバにハマルと思います。【ビビッド】来ました! 私からもhimebowリーダー,ご決断を〜!
私もセラビーさんと同じだと思いますが、坂東くんの曲が過半数を占める 『PARADISE』の出来を心配しましたが、すぐに熱狂してしまいました。安藤さんと伊東さんがいれば何を演ってもスクェアになるのでしょう。
私も『PARADISE』では【THROUGH THE THUNDERHEAD】が大好きです。それから新しい冬の『STARS AND THE MOON』。レビューに納得です。是非、出してほしいものですね。
『DOLPHIN THROUGH』『SAXES STREET』『PARADISE』の3枚ですが,この3枚が微妙に交錯しあっており,3枚で影響しあっているように聞こえます。
本田さんもGRPとしては初ですし,6年振りのアルバムで,フレッシュなまんまで音が若い!
スクェアも新会社設立と新レーベル立ち上げ,そして坂東くんの重用で,真に爽やか系。鮮度が落ちないどころか瑞々しくなっている! この3枚があれば今年の夏はやっていけますよね!?
【THROUGH THE THUNDERHEAD】! 河野くんのブラス・シンセがバックでハモル瞬間に「心の高鳴り」を感じます。はじけすぎた夏の1曲ですねっ。超名曲!
そんな河野くんだけは新しい冬のCD『STARS AND THE MOON』に乗り気ですから〜? 頑張って安藤さんと伊東さんを担ぎ上げてほしいので〜す!
1分25秒からのドラムがマイケル河合を彷彿するのが最大の理由なんですが、自分の中で「おぉ!!」って盛り上がってた次第。
1曲目は「メガリス・ショック」並みの衝撃。あのシンセベースの引っかかりは「?」でしたが(実際、ライブの晋吾ちゃんは普通に弾いてますが)、あそこが拘りなんだなと。
河野氏の「Eternal Glory」の完成度の高さに感服。ロック・バラード・・・ FBで氏もコメントしてくれましたが、安藤さんのロックギター、いいですね。クライフォーとかディスティネを思わせます。
と、新しさと懐かしさが交錯するパラダイス。
【彼女と麦わら帽子】のドラミングは,確かにマイケル河合+仙波師匠のイメージありますよね。【MYSTIC ISLAND】のシンセ・ベースに,私ものけぞってしまいました。スクェア流のファンク・グルーウ・ナンバーなのに,ビート感よりもメロが好き!
【ETERNAL GLORY】。王道のバラードですね。本当は中盤ではなくてラスト・ナンバーがお似合いだと思っていますが,ヘビロテしていくうちに,この並びでないと【NIGHT CRUSE】〜【夏の終わり】のイメージが完成しないことが分かりました。
「新しさと懐かしさが交錯するパラダイス」。至言ですねぇ。しみじみ。