GOODNIGHT, IT'S TIME TO GO-1 『GOODNIGHT,IT’S TIME TO GO』(以下『グッドナイト,イッツ・タイム・トゥ・ゴー』)は,ブラザー・ジャック・マクダフプレスティッジで「ブラザーではないジャック・マクダフ」を名乗っていた時の名盤である。

 管理人にとって「ブラザーではないジャック・マクダフ」と来れば,連想するのは「相性チリバツ」なテナーサックスハロルド・ヴィックである。
 ちょっと無理してモーダルなフレーズを吹いてみたハンク・モブレイに,ジョン・コルトレーン・ライクなハロルド・ヴィックテナーサックスが濃厚であって,ジャック・マクダフを覚醒させている。

 ジャック・マクダフオルガンハロルド・ヴィックテナーサックスによる「コール&レスポンス」の反復が濃厚でアーシーすぎる。所々でユニゾンする,粘っこいインタープレイを聴いていると思考が停止してしまいそう。

 そこへ来て,グラント・グリーンギターが絡みつく展開は,プレスティッジではなく“ブルーノートジャック・マクダフ”を名乗っても通じるソウル・ジャズ仕様。
 ノリを前面に押し出し,激しくグルーヴする“力業のオルガン・ジャズ”に「おおっ,おお〜」。

GOODNIGHT, IT'S TIME TO GO-2 とにかく“生真面目に”シングル・トーンをリピートしてシャッフルするハロルド・ヴィックグラント・グリーンの執拗さに,苦悶しつつも顔は笑ってしまう『グッドナイト,イッツ・タイム・トゥ・ゴー』を聴いていると,つい日本人では持ち合わせていない黒人の野生の才能に嫉妬を感じてしまったり…。

 彼ら黒人の天性の才能が羨ましい。同じ時間,同じ場所で『グッドナイト,イッツ・タイム・トゥ・ゴー』を聞くとしても,黒人のジャズ・マニアは日本人の10倍は楽しめるのだろうなぁ。

 『グッドナイト,イッツ・タイム・トゥ・ゴー』のソウル・ジャズを聞いていると,自分の胸の内に,絶対に手が届かない「憧れの音楽」みたいな感情を覚えてしまいます。

  01. GOODNIGHT, IT'S TIME TO GO
  02. SANCTIFIED WALTZ
  03. McDUFF SPEAKING
  04. A SMOOTH ONE
  05. I'LL BE SEEING YOU

(プレスティッジ/PRESTIGE 1961年発売/VICJ-23094)
(ライナーノーツ/シドニー・ファルコ,小川隆夫)

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