FULL MOON AND THE SHRINE-1 松居慶子こそがスムーズ・ジャズ界の「スーパースター」である。『FULL MOON AND THE SHRINE』(以下『フルムーン・アンド・ザ・シュライン』)を聴く度に,その完璧な出来栄えに唸らされてしまう。

 そう。『フルムーン・アンド・ザ・シュライン』こそが,松居慶子を代表する,そしてスムーズ・ジャズを代表する“大傑作”。
 ジャズでもフュージョンでもないスムーズ・ジャズに,さほど関心のなかった管理人がスムーズ・ジャズの魅力に一気に引き込まれるきっかけとなったのが『フルムーン・アンド・ザ・シュライン』である。いや〜,実に素晴らしい。

 『フルムーン・アンド・ザ・シュライン』が大好きなのは,前作『DEEP BLUE』までの「イージーリスニング路線」から方向転換し,一気にフュージョンに寄せてきた「メロディー重視でメリハリ調のバンド・アンサンブル」に完全にやられてしまった。
 そう。デレク・ナカモトの作るベーシック・トラックに生ドラムが加わって距離感が近くなる。そしてザ・リッピントンズポール・テイラーの艶やかなサックスが絡んでくる。いい。

 フュージョン・バンドのキーボード・プレイヤーとして参加している?松居慶子のリリカルな響きのピアノと,キラキラしたシンセサイザーの音のバランスが絶妙。スタイリッシュな曲想が天然水のように流れ,柔らかい青い光が心まで射し込んでくる。

FULL MOON AND THE SHRINE-2 松居慶子ピアノを聴いていると,音像だけではなく映像のイメージが同時に湧き上がってくる。PVとか映画のサウンドトラックが流れているかのように感じてしまう。← ここまですり込まれてしまったのはCD−EXTRAの「特典映像」を繰り返し見たせいなのかもしれません。

 『フルムーン・アンド・ザ・シュライン』からは,高度に洗練された美しいメロディーが連続して流れ出てくる。聴く者の生活を邪魔をせず,しかし聴く者の心に何かが引っ掛かるような感じで…。

 特にメロウな【TOWARD THE SUNRISE】【FOREVER,FOREVE】【MEADOW】【HOPE】の4連続が完璧すぎて“魂を抜かれてしまう”。
 美しすぎる松居慶子スムーズ・ジャズに降参である。ごめんなさい。もう許してください…。

  01. Night Hawk's Dream
  02. Steps In The Night
  03. Bonfire In The Piano
  04. Southern Crossings
  05. Legend Of The Trees
  06. Full Moon And The Shrine
  07. Spirit At The Corner
  08. Toward The Sunrise
  09. Forever, Forever
  10. Meadow
  11. Hope (New Version)
  12. Presence Of The Moon (Piano Solo)
  13. Hope (Piano Solo)

(プラネットジョイレコード/PLANET JOY RECORDS 2002年発売/PJCD-1007)
(CD−EXTRA仕様)
(ライナーノーツ/ロバート・タウロ,荒井正人)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)