28-1 『28』は,何度聴いてもピンと来ない困ったちゃん。でも心配などしていない。なぜなら『26』も『27』も,一聴した際は同じようなものだった。『28』もそのうち耳に馴染んでくるだろう。

 あれから1週間。まだ『28』は,ピンと来ていない。最大の欠陥はサビの無さ。惹きつけられるメロディーが弱い。どうしてだろう? そう自問するDIMENSION・マニアとしての1週間の日々。
 考えられるのは増崎孝司小野塚晃勝田一樹ソロ活動の“弊害”ぐらいである。まぁ,的外れな愚痴だと思って暫しお付き合いを。

 DIMENSIONのメンバー3人は,元来がスタジオ・ミュージシャンであるがゆえ,DIMENSION以外の活動もルーティン・ワーク。
 ここで管理人が言いたいソロ活動とは,ソロ・アルバムの制作に限定させていただく。

 増崎孝司は,同じギター船山基紀と組んだ双頭ユニット「MOTO & MASU」名義で,2014年に『MOTO & MASU』を,2015年に『TE QUIERO』の2枚をアルバム・リリース。
 小野塚晃は,2015年に5年振りのソロ・アルバム『KANTO〜大空へ〜』をリリース。
 勝田一樹は,2014年に自身初のソロ・アルバム『KAZUKI KATSUTA』をリリース。

 毎年,DIMENSIONの新作をリリースするだけでも骨の折れることなのに。大作『27』の前後に別のオリジナル・レコーディングを行なっているという事実。
 管理人より年上の増崎孝司小野塚晃勝田一樹なのだから,運動後の筋肉痛は翌日ではなく3日後に来ているはず? そうであればソロ・アルバムの“疲労”は『27』ではなく『28』で発症する。だから『28』では全力疾走できていない。ねっ,名(迷)推理でしょう?

 悪くなどはない。ただキャッチーでポップな楽曲がないな,というのが『28』から受ける印象である。
 超絶技巧系もパットせず,イケイケのアゲアゲ・ナンバーもなく,大バラードもない『28』。

 メンバー全員が充実のソロ活動に精を出し,ソロ活動では敢えてDIMENSIONとは違ったことをやろうとしたのだから,DIMENSION本体での活動はパワー不足。
 正直,最近のDIMENSIONのアルバムは,驚きの幅が年々狭く感じられる。だんだんと「金太郎飴」状態というか「過去のあの曲と似ている感」に襲われてしまう。
 これを原点回帰というべきか,ベーシックな音造りというべきか…。

 でもいいんです。『MOTO & MASU』『TE QUIERO』『KANTO〜大空へ〜』『KAZUKI KATSUTA』が『28』をフォローしてくれているのですから…。

28-2 ここはズバット『28』は,いいアルバムだ,と胸を張って言い切ろう。
 これってきっと管理人の耳と脳の問題である。DIMENSIONが好きすぎて,過去のアルバムを現役で聴き続けている“弊害”である。なんだか過去の大傑作と,新作を無意識のうちに比べてしまう自分が嫌いになってしまった。反省〜。

 最後に傷心の管理人から読者の皆さんへのお願いです。『28』も,きっといいアルバムです。だからフラットな耳で『28』を聴いてみてください。
 『28』のLIVEを見て『29』が発売される頃には,管理人も『28』を大絶賛しているように思います。
 DIMENSIONは今でも「最新作が最高傑作」のはずです。→ 恐らくは“最高傑作”『28』をどうぞよろしくお願いいたします。

  01. Brightness Of The Morning Sun
  02. Seven Movements
  03. Somber Corners
  04. No Time This Time
  05. Other Side Of The Sky
  06. Precious
  07. Red Shoes
  08. Gotta Find A Way
  09. Hold On
  10. Nightfall In Savanna

(ザイン/ZAIN RECORDS 2015年発売/ZACL-9088)
(☆スリップ・ケース仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様)

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