CLIFFORD BROWN MEMORIAL-1 ブルーノート盤の『MEMORIAL ALBUM』とは異なる,もう1枚の「メモリアル・アルバム」がプレスティッジ盤の『CLIFFORD BROWN MEMORIAL』(以下『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』)である。

 『メモリアル・アルバム』『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』共に,クリフォード・ブラウンの死を追悼し,クリフォード・ブラウンの死後に発売された,という点は同じだが内容に共通点はない。
 分かる人には分かるだろうが,ブルーノート盤が“黒”ならばプレスティッジ盤は“白”である。

 『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』が“白”の理由は,スエーデンオーケストラの2つの“白”!
 そう。『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』とは,ライオネル・ハンプトン楽団の一員としてヨーロッパ・ツアー時に行なわれた現地ジャズメンとのレコーディングとタッド・ダメロン楽団のメンバーとして参加したオーケストラとのレコーディングのカップリング。
 2つの“白”との共演で,クリフォード・ブラウンの“ブリリアントな”トランペットが圧倒的な存在感を放っている。

 この2つの“白”の立役者はクインシー・ジョーンズアート・ファーマーである。
 クインシー・ジョーンズの名アレンジが「オールスターセッション」に合っているし,アート・ファーマーとの激しい絡みとの対比が生んだ“ブリリアントな”トランペットが強調されていると思う。

CLIFFORD BROWN MEMORIAL-2 管理人の結論。『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム批評

 「白い」クリフォード・ブラウンの淀みなく流れるアドリブが“歌っている”。何よりも心から湧き上がってくる音楽の“ヒューマンな温かさ”に心揺さぶられる。

 『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』のメモリアルが,クリフォード・ブラウンの“天才”のメモリアルである。

  01. STOCKHOLM SWEETNIN'
  02. 'SCUSE THESE BLUES
  03. FALLING IN LOVE WITH LOVE
  04. LOVER COME BACK TO ME
  05. PHILLY J.J.
  06. DIAL "B" FOR BEAUTY
  07. THEME OF NO REPEAT
  08. CHOOSE NOW (TAKE 1)
  09. CHOOSE NOW (TAKE 2)

(プレスティッジ/PRESTIGE 1956年発売/UCCO-5118)
(ライナーノーツ/アイラ・ギトラー,瀬川昌久,岡崎正通)

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