
…で,いろいろと遊んだものだが,個人的な「ブラインド・テスト」の一番の思い出と言えば『HARD WIRED』(以下『ハード・ワイアード』)である。
だって,あの野郎,ズルすぎる。あの順番で出してきたら,誰だって?「チック・コリア・エレクトリック・バンド」だと思うだろう?
そう。『ハード・ワイアード』は「チック・コリア・エレクトリック・バンド」ではなくデイブ・ウェックル・バンドのCDであった。チック・コリアの変化玉を聴かされまくって頭脳戦に負けたのだった〜。
翌日,未所有であった『ハード・ワイアード』をHMVに買いに行き,はやる気持ちを落ち着かせて聴き直した『ハード・ワイアード』に,改めて「チック・コリア・エレクトリック・バンド」を感じてしまった。
「ブラインド・テスト」の一番の思い出とはこのことである。
デイブ・ウェックルという答えを知った上で,冷静に聴き直してみたはずなのに,自分の頭脳が導き出した答えは,まさかの2回連続「チック・コリア・エレクトリック・バンド」だったのだ。この自分自身の反応に一番驚いてしまった!
そしてこう思った。「チック・コリア・エレクトリック・バンド」のフィーリング,アイデンティティとは,チック・コリアではなくデイブ・ウェックルに負うところが大きかったんだ!
やはり「チック・コリア・エレクトリック・バンド」の肝は,ド派手で機械的でドンピシャなエレクトリック同期生ドラムの手数王にして,基本はタイトでグルーヴするドラムにあったんだ〜!

神保彰がライナーノーツで絶賛するデイブ・ウェックルが,アンソニー・ジャクソン,ジョン・パティトゥッチ,ジェームズ・ジーナスの凄腕ベーシスト3人と生み出すフュージョンを超えたPOPなリズムが,世界最高レベルのバンド演奏でとにもかくにも盛り上がります!
01. HARD-WIRED
02. AFRIQUE
03. DIS' PLACE THIS
04. IN FLIGHT
05. CRAZY HORSE
06. JUST AN ILLUSION
07. WHERE'S TOM?
08. IN THE POCKET
09. TRIBUTE
(GRP/GRP 1994年発売/MVCR-180)
(ライナーノーツ/神保彰)
(ライナーノーツ/神保彰)
コメント
コメント一覧 (2)
Dave Wecklの「Hard-Wired」最近買いました。
「Beneath The Mask」のサウンドをさらに一歩前進させた印象がありますね。
ジャンルとしては「スムースジャズラテンファンクフュージョン」?
イメージがまとまらないほどに、色んなジャンルがプレイ出来るDave Wecklの個性が詰まってる気がします。
でも「Elektric Band」にいた頃では出来なかったサウンドカラーが実現していると思います。
まあ彼は「Master Plan」の頃から、自分のやりたい柱みたいな物が変わらなく僕としては嬉しいものですね
「Hard-Wired」を「Beneath The Mask」の進化系との表現にニヤリと反応してしまいました。確かに「Elektric Band」にいた頃では出来なかったサウンドカラーが実現していると私も思います。
デイブ・ウェックルのドラミングは今でもCCEBとCCABの延長線上にあると思うのですが,ドム男さんが指摘してくださった通り,色んなプレイ・スタイルを演っても
自分のやりたい柱みたいな物が変わらない所がファンを魅了し続ける理由なのでしょうね。