
以上が“圧巻の”ブラス・バンド=「村田陽一ソリッド・ブラス」の面々である。そしてアルバム『WHAT’S BOP?』にはテナー・サックスに“あの”マイケル・ブレッカー,アルト・サックスに“あの”渡辺貞夫までもが参加している。
実際に文字に起こしてみて,改めて“凄い”と感じた,オール・ブラス隊の「村田陽一ソリッド・ブラス」だが,真の“凄さ”は「売り」であり,バンド名にも表現される“ソリッドな”ブラス・アンサンブル!
つまりは“超絶技巧”なブラス・アンサンブル! 完璧なブラス・アンサンブルの密度感に「お口あんぐり」なのである。これがオール・ブラス隊によるジャズ/フュージョンなのかっ!
ニューオリンズ・ジャズのマーチング・バンドから現代へ一気にタイム・スリップしたかのような「村田 陽一ソリッド・ブラス」の高速アンサンブルに度胆を抜かれる!
本来はピアノのパートだったり,ギターのパートだったり,ベースのパートだったりする部分を,全て管楽器に置き換えて演奏している。
村田陽一の聴きやすく,ただし,幾重にも重ね塗りされた,相当に手の込んだアレンジが素晴らしすぎて,村田陽一の頭の中を覗いてみたくなるものだ。
ズバリ,ブラス・バンドの亜流であろう「村田陽一ソリッド・ブラス」のアレンジは,メンバーの個性を生かしたソロ・スペースの充実にある。
まずは選曲作業から始まっているのだろうが,その曲のサビであったりメロディーであったり,山場で一番輝くであろう,レギュラー・メンバーなりゲスト・プレイヤーの特長を生かすソロを中心に前後のアレンジが練られているような感じ。

そんな中,村田陽一が『WHAT’S BOP?』で遊んだ部分は,アルバムのテーマであるバップ・フレーズのてんこ盛り! カッコイイのに面白い! 超絶とバップ・フレーズのギャップに耳ダンボ!な仕掛け!
切れ味鋭いブラス・バンドが“景気の良い音色”で有名曲を“パッパラッ”と鳴らす。これはきっと大受けする。
管理人は「村田陽一ソリッド・ブラス」を,J−ジャズ/フュージョンのNEXTブレイクに指名する!
なんてったって「村田陽一ソリッド・ブラス」のエースは本田雅人〜!
01. Be Bop〜What's The Matter
02. Teen Town
03. Snapping Turtel
04. The Ponta March
05. Acute Angles
06. Three Views of a Secret
07. Bring Back
08. A High Old Time
09. Come Sunday
10. Port to Port
(ビクター/JVC 1997年発売/VICJ-242)