ANTHOLOGY 〜20TH ANNIVERSARY〜-1 やっぱり触れないわけにはいかないだろう。我が第4?の故郷を襲った熊本地震。管理人は2年間,熊本市民。熊本には友人がたくさんいる。
 物資の支援を2回行なった。メッセージカードも書いた。今日はブログを書こうと思う。

 なぜだろう…。自分の中で震災応援とくれば木住野佳子の『ふるさと −TRIBUTE TO JAPAN−』の印象が強い。
 そういうことで熊本応援ブログレビュー・ネタに選んだのは,木住野佳子の『ANTHOLOGY 〜20TH ANNIVERSARY〜』(以下『アンソロジー 〜20TH アニヴァーサリー』)。

 『アンソロジー 〜20TH アニヴァーサリー』とは木住野佳子デビュー20周年記念アルバム。その中身とは『FAIRY TALE』『PHOTOGRAPH』『RENDEZ−VOUS』『YOU ARE SO BEAUTIFUL』『TENDERNESS』のキャリア初期の5枚のアルバムから,ファン投票によって選ばれた楽曲のセルフ・カヴァー集。
 要は『PORTRAIT − YOSHIKO KISHINO BEST SELECTION』のリ・アレンジ再録集。

 『PORTRAIT − YOSHIKO KISHINO BEST SELECTION』は管理人の青春の1枚。
 だから『ふるさと −TRIBUTE TO JAPAN−』だけではなく,震災とは無関係の『アンソロジー 〜20TH アニヴァーサリー』にも,若かりし頃の活力を思い出しては郷愁を感じてしまうのかな?

 とにかく【DANNY BOY】【TENDERNESS】のいつ聴いてもグッと来る“鉄板”だけではなく『アンソロジー 〜20TH アニヴァーサリー』を聴いているだけで,無性に泣けてくる。そして聴き終えると希望の光がパッと心の中に射し込んでくる。元気が漲って来る。

 『アンソロジー 〜20TH アニヴァーサリー』の選曲は人気投票ゆえ,落選した名曲が多いのも仕方のないことだが,個人的には【PEACE PIECE】が入らなかったことだけが心残り。
 楽しみにしていた【MANHATTAN DAYLIGHT】【WALTZ FOR DEBBY】【JENGA】の激変に20年の時の重みを感じてしまう。

 その代わり「震災や,痛ましい事件,なくなってしまったもの,傷ついてしまったこと,様々なことに直面して,それでも前を向いて進めるように「祈り」を込めて演奏した曲です。皆さんの心にも,温かい祈りが届いたら嬉しいです」の言葉で紹介されいる,新曲【PRAYER】が素晴らしい。やったね,木住野さん,ホームラン!

ANTHOLOGY 〜20TH ANNIVERSARY〜-2 『アンソロジー 〜20TH アニヴァーサリー』における木住野佳子は,ジャズ・ピアニストというよりは“音楽家”である。
 キャッチーでメロディアスなオリジナルはポップ・ソングであるし,スタンダードのアレンジと演奏も唯一無二。内面の温かな人柄がピアノに乗って伝わってくる音楽。

 そう。管理人が木住野佳子を聴く時は,ジャズ・ピアノを聴こうと思ってではなく,木住野佳子を聴こうと思った時である。
 美人だし繊細なピアノ・タッチだし,最初はそう思って聴いていなかったが,いつの間にか,管理人にとって木住野佳子は“癒し系”になって・し・ま・い・ま・し・た。

 世間ではGWの10連休。九州新幹線も九州自動車道も開通した。しかし熊本や大分には,復興,復興と無責任に発言できない現状がある。東北もまだきっとそうなのだろう。
 落ち着いたら『ふるさと −TRIBUTE TO JAPAN−』と『アンソロジー 〜20TH アニヴァーサリー』を聴きながら熊本へ出向こうと思っている。

  01. Manhattan Daylight
  02. Fairy Tale
  03. Vera Cruz
  04. Waltz For Debby
  05. Desert Island
  06. Danny Boy
  07. Beautiful Love
  08. Tenderness
  09. Night And Day
  10. Jenga
  11. Prayer

(GRP/GRP 2015年発売/UCCJ-2128)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/木住野佳子)

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