ONESELF-LIKENESS-1 こう書けば“分かる人には分かる”と思うが,クオシモードペズソイルとは違っている。

 管理人も以前は「PE’Z」も「SOIL&“PIMP”SESSIONS」も聴いていた。あれはあれで結構好きだったので,今でも否定的な考えは持っていない。
 ただし,ジャズ・ファンが「PE’Z」や「SOIL」を敬遠したくなる気持ちは理解できる。「PE’Z」や「SOIL」を大音量のステレオで聴くのはどうかと思ってしまうし,ヘッドフォンで聴くのも違う。

 「PE’Z」や「SOIL」はジャズではない。結局,管理人にとっては真剣に耳を傾けるのが難しい「ストリート系・インスト・ミュージック」。だから管理人も全てのコレクションを処分した。自分の趣味ではないと思った。

 …で,クオシモードである。クオシモードの第一印象は“とにかく暴れる”パーカッションクオシモードジャズではなかった。すぐにクオシモードも「中古CD屋行き」の予感がしたのを覚えている。

ONESELF-LIKENESS-2 しかし,クオシモードペズソイルと違っていたのは「PE’Z」や「SOIL」は,最初はいいと思うのだが段々と落ちていく。聞けば聞くほど飽きがくるのに対し,クオシモードは聞けば聞くほど面白い。ウオーッ,クラブ・ジャズっていいではないかっ!

 クオシモードデビューCDONESELF−LIKENESS』(以下『ワンセルフ・ライクネス』)は,4つ打ちのリズムを分解し,アフロ・キューバン的な要素をCOOLに再構築した,クラブ寄りのハードバップ。
 クオシモードの基本は,正統派のピアノ・トリオパーカッションにゲスト参加のホーンなのだが“生き物のような”多彩なパーカッションが楽曲に合わせて変化するので,楽曲を楽しめるかどうかは,聴き手の側がパーカッションの自由度を理解した上で,あるレベルを超えられるかどうか,にかかっている。

ONESELF-LIKENESS-3 …というのも“とにかく暴れる”パーカッションに耳が慣れてきた途端に,今度は平戸祐介の“内へ内へと沈み込む”ジャズ・ピアノの響きが飛び込んでくるようになる。

 平戸祐介のストイックな音使いを追いかけていると,管理人の中のクラブ・ジャズに対するイメージが混乱をきたす。こんなにまとまりのよいメロディーが拝聴されることなくリズムと一緒に聞き流されている…。

 でも,ある瞬間「今のチョー・カッコイイ!」と脳内プレイバックしてしまう。フロアの足が止まる時,平戸祐介のニヒルなニヤリが目に浮かぶ…。

  01. Catch the fact - intro
  02. Down in the village
  03. Giant Black Shadow
  04. 1000 days for spirit
  05. Lucky Luciano
  06. Ipe Amarelo
  07. Skelton Coast
  08. Feelin' Green
  09. oneself - LIKENESS
  10. Catch the fact - outro

(インパートメント/INPARTMAINT 2006年発売/IPM-8007)
(ライナーノーツ/小川充)

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