
( タック&パティを知らない読者の皆さんはドリカムのようなものと思ってください )
フライド・プライドのメインは,タック&パティがパティ・キャスカートで,ドリームズ・カム・トゥルーが吉田美和であるように,ヴォーカリストのSHIHOである。
とにかく,SHIHOの「尖がっているのにシルキーでソウルフルな」ジャズ・ヴォーカルが素晴らしい。
でもタック&パティがタック・アンドレスで,ドリームズ・カム・トゥルーが中村正人であるように,フライド・プライドの音楽を裏で実際に回しているのは“リーダー”横田明紀男“その人”である。
そもそも,ヴォーカリストとギタリストによるユニットではギタリストの負担が大きい。まだポップスやロック系の弾き語りならまだしもフライド・プライドが演奏するのはジャズである。
歌伴としてのカッティング,バッキングに,間奏でのギター・ソロではアドリブまで披露する。基本的にはコード楽器としてリズムをキープしつつ,それでいて歌と絡みつつ,ヴォーカリストよりも前に出ない。
大所帯のギター・ヒーロー役よりも敷居が高いのが「ジャズ・ユニットのギタリスト」なのだと思う。
フライド・プライドの1st『FRIED PRIDE』を聴いていると,横田明紀男の「苦心の跡」が色濃い。
フライド・プライドの場合,SHIHOの表現力が,2nd,3rdと成長するにつれ,横田明紀男のギターがシンプルになっていく。

SHIHOのヴォーカルを先導する“アクロバティックな”ギターの動きを追いかけていると,SHIHOとの連動というよりはSHIHOを置き去りにする横田明紀男の“超絶技巧”にどうしても耳が行く。
横田明紀男の突出に「ジャズ・ユニット」というよりも,ヴォーカルとギターが別々のブースでレコーディングした雰囲気を感じたりして…。辛口ですみません…。
とにもかくにも“ジャズ・ギタリスト”横田明紀男“その人”を聴きたいのなら『FRIED PRIDE』を聴け〜!
横田明紀男の多芸ぶりには,ただただ「スゲェー」!
01. Love For Sale
02. If
03. Lately
04. The Man I Love
05. 'Round Midnight
06. Morning Must Come
07. Louisiana Sunday Afternoon
08. 'S Wonderful
09. Jumpin' Jack Flash
10. Calling You
11. Paradise
(コンコード/CONCORD 2001年発売/VICJ-60820)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/悠雅彦)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/悠雅彦)