JAZZ'N OUT-1 管理人的には100%=本田雅人目当てで購入した『JAZZ’N OUT』(以下『ジャズ&アウト』)だったのだが,やっぱり主役はマリーンであった。よって意図せずにサポートに回った本田雅人を聴いたことになる。

 …で,結論。本田雅人本田雅人だよなぁ。本田雅人はサイドで吹いても“存在感有り有り”なのである。

 「本田雅人B.B.STATION」はビッグ・バンドなのだから,本田雅人ソロは少ない。
 ではなぜ管理人が『ジャズ&アウト』に本田雅人を強く意識するかと言えば,このビッグ・バンド・アンサンブルこそが「本田節」の拡大版で響くから!
 そう。本田雅人のいつものフレージングが「本田雅人B.B.STATION」で完璧に表現されている。

( ただし「本田雅人B.B.STATION」名義にして,実際に「B.B.STATION」での演奏は正味5トラックのみ。残る5トラックは所謂,本田バンドでの演奏ですので,ビッグ・バンド目当てのジャズ・ファンはご注意を! )

 いつものように本田雅人一流の“凝りに凝った”アンサンブルで攻めてくると思いきや「B.B.STATION」での本田雅人は,意外にもシンプル仕上げなアンサンブル!
 「B.B.STATION」の音作りは,中低音をパワフルに鳴らす,古き良きスイングビッグ・バンドのスタイルを基本に,洗練でヒネリを効かせた都会的なアレンジなのは言わずもがな!

 なぜならば「本田雅人B.B.STATION」のソロイスト本田雅人唯一人!
 本田雅人がプレイするアルトサックスソプラノサックスフルートクラリネットの木管楽器と,トランペットフリューゲルホーントロンボーンの金管楽器が・映・え・る・か・ら・中低音をパワフルに鳴らす仕掛け。

 でもでもそんな“存在感有り有り”の本田雅人のスーパー・ソロをして,マリーンボーカルに全てを持っていかれている!
 まっ,アルバム・タイトルが『ジャズ&アウト』なのだから,本職のジャズ・ナンバーから兼業?のアウト(つまりポップスとかロック)までを網羅する人気ヒットパレードを歌う“歌姫”マリーンの独壇場!

JAZZ'N OUT-2 個人的には映画「キャバレー」の主題歌の再演となった【LEFT ALONE】と,やっぱりマリーンと来れば!の【IT’S MAGIC】を集中して聴いていたのだが,最終的に『ジャズ&アウト』のお気に入りは【SING SING SING】と【YOU’LL NEVER GET TO HEAVEN】。
 30代後半のある時期,この2曲ばかりを朝から晩までリピートして過ごしていた“メモリー”がある。

 思うに『ジャズ&アウト』の構図とは“歌姫”マリーンの生バンドとしての「本田雅人B.B.STATION」! 何となく,子供の頃見ていた「昭和歌謡の歌番組」を見て(聴いて)いるような気分がする。
 その歌番組のカット割りは7割がマリーン,2割が本田雅人でもう1割が「B.B.STATION」。

 とにかく威風堂々と歌い上げる“ジャズ・ヴォーカリストマリーンを前面に出しているようでいて,実は裏で回している「本田節」が“隠し味”として効いている。

  01. Sing Sing Sing
  02. It's Magic
  03. You'll Never Get To Heaven
  04. Can't Take My Eyes Off Of You
  05. Cafe Style
  06. Tennessee Waltz
  07. Dazzle The Night
  08. Left Alone
  09. I Was Born To Love You
  10. In The Quiet Blue

(BMG/BMG 2007年発売/BVCJ-34032)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,佐藤大介)

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