
まっ,いつも友人たちには「何それ〜」と一蹴されておしまいですが…。
でもね。読者の皆さん。このデューク・エリントン,デューク・ジョーダン,デューク・ピアソンって“3兄弟”と呼ばれるにふさわしいジャズメンなんですよっ。
3人揃ってジャズ・ピアニスト。3人揃って名コンポーザー。長男がデューク・エリントン,次男がデューク・ジョーダン,三男がデューク・ピアソンなんです。
特にジャズ・ピアニストなのに,ピアノの印象以上に管楽器のアンサンブルが印象に残る部分が“デューク3兄弟”の血統なんです。
そんな“デューク3兄弟”の次男坊=デューク・ジョーダンの“メロディー・メイカー”ぶりが遺憾なく発揮された佳作が『FLIGHT TO JORDAN』(以下『フライト・トゥ・ジョーダン』)である。
『フライト・トゥ・ジョーダン』におけるデューク・ジョーダンのピアノには,朴訥とした翳りのある語り口から発せられるブルージーな歌心と,端正で耽美的で泰然自若としたフレージングにデューク・ジョーダンの控え目な“ジャズメン魂”が込められている。
しかし『フライト・トゥ・ジョーダン』におけるデューク・ジョーダンのピアノは“管を鳴らす”ジャズ・ピアノ。
決して美メロというわけではないが,ファンキーで記憶に残るメロディ・ラインをピアノでリードし,ディジー・リースのトランペットとスタンリー・タレンタインのテナー・サックスに代弁させている。
口下手なデューク・ジョーダンが自分で『フライト・トゥ・ジョーダン』を語るよりも,口上なフロントマンに『フライト・トゥ・ジョーダン』に込められた思いの丈を語ってもらう方が何倍も上手くいく。

“管を鳴らすメロディー・メイカー”デューク・ジョーダンの「叙情性」とディジー・リース&スタンリー・タレンタインの「骨太」の組み合わせが産み落とした,枯れたわびさびのジャズ・ピアノが『フライト・トゥ・ジョーダン』。
日本人好みのマイナー名盤として『フライト・トゥ・ジョーダン』を外せやしないない。
01. FLIGHT TO JORDAN
02. STARBRITE
03. SQUAWKIN'
04. DEACON JOE
05. SPLIT QUICK
06. SI-JOYA
07. DIAMOND STUD
08. I SHOULD CARE
(ブルーノート/BLUE NOTE 1959年発売/TOCJ-7038)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,原田和典)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,原田和典)
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