『PIANO VOICES』(以下『ピアノ・ヴォイセス』)を聴いて,今までは単なる『PIANO〜』シリーズでのネーミングだと思い込み気に留めていなかった『PIANO LETTER』〜『PIANO TAPESTRY』〜『PIANO ANNIVERSARY』のアルバム・タイトルが絶妙だと思うようになった。『PIANO LETTER』は「ピアノで書いた手紙」そのものである。『PIANO TAPESTRY』は「ピアノで織り上げた一枚の布」そのものである。『PIANO ANNIVERSARY』。こちらは15周年記念アルバムということで良い。
この3枚の『PIANO〜』シリーズについての言及はこれ位で良い。今夜の主役は『ピアノ・ヴォイセス』である。
そう。『ピアノ・ヴォイセス』とは「ピアノの歌声」そのものである。つまり国府弘子の「心の歌声」がダイレクトにピアノで表現されている。
いや〜,参った。“弘子節”にやられてしまった。聴いていて涙がこぼれてしまった。何度聴いても感動で心が震えてしまう…。
基本『ピアノ・ヴォイセス』は『PIANO TAPESTRY』に続く「ピアノ・ソロ」の第2弾。
【家路】〜【アメイジング・グレース】と来て,こんなに奥深い表現を聴いたのは久しぶりだと“聴き耳立てて”迎えた【ムーン・リバー〜酒とバラの日々】が相当にヤバイ。
ハーモニカのトゥーツ・シールマンスの名演は多いが『ピアノ・ヴォイセス』の【ムーン・リバー〜酒とバラの日々】での演奏も,指折りの名演の1つに数えられるべきだと思っている。
【ムーン・リバー】のイントロが流れてきただけで,もはや管理人は「パブロフの犬」である。条件反射的に泣けてくる体質になってしまった。
この感動はトゥーツ・シールマンスのハーモニカだけではない。しっかりとバッキングする国府弘子のピアノがハーモニカとシンクロして“歌っている”のだ。刺激的かつナイーブなピアノの落差がド・ストライク!
続く【見つめていたい】と【遥かなる影〜やさしく歌って〜ウスクダラ(トルコ民謡)〜黒いオルフェ(カーニヴァルの朝)】を聴く頃にはCDプレイヤーの前で“耳をソバダテ”猪突猛進のイノシシ状態で,国府弘子の「心の歌声」を一音たりとも聴き逃すまい,との臨戦態勢で息を詰めるようになる…。
そうして『ピアノ・ヴォイセス』の2度目の山場がやって来る。【SUCCESS MOON DANCE】である。【SUCCESS MOON DANCE】を聴いた瞬間,自分の中では間違いなくミシェル・ペトルチアーニのカヴァーだと思ってしまった。
それくらいに“すがすがしい”メロディー・ラインである。途中【BIRDLAND】のメロディーが飛び出してくるところも冴えている。なんつったって【SUCCESS MOON DANCE】はスティール・パンとのデュオである。スティール・パン=ジャコ・パストリアス=ウェザー・リポート=【BIRDLAND】なのだから…。と脱線スマヌ…。
しか〜し【SUCCESS MOON DANCE】は国府弘子の作曲であったのだ。この事実に直面して管理人の中で“国府ワールド”が“ワールド・ワイド”してしまった。
管理人の「ジャズ批評家」人生をかけてこう叫ぼう! 国府弘子は「世界的な“ジャズ・ピアニスト”」! 国府弘子はピュアなのに相当深い!
01. Going Home
02. Amazing Grace
03. Moon River 〜 The Days Of Wine And Roses
04. Every Breath You Take
05. (They Long To Be) Close To You 〜 Killing Me Softly With His
Song 〜 Uskadara 〜 Manha De Carnaval
06. Success Moon Dance
07. Summertime
08. Shangri-La
09. When You Wish Upon A Star
10. Angelus
11. Happiest You (For Your Wedding)
(ビクター/JVC 2003年発売/VICJ-61151)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/国府弘子)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/国府弘子)