
ライヴで鍛え上げられた,国府弘子+八尋洋一+岩瀬立飛との「鉄壁のコンビネーション」は,あのクリスチャン・マクブライド&ミノ・シネル組のピアノ・トリオを凌駕している。
「スペイン」をテーマとした『オラ!』の楽曲は,情熱的なのに緩急自在のアレンジが施されており,緻密で細やかな展開で盛り上がり続ける。国府弘子がジャズ・ピアノでここまで大立ち回りできたのは,国府弘子のリクエストを一音だけで察知できるベーシストとドラマーがいればこそ! 「書き譜のようなカチッとしたアドリブを武器に」実に気持ち良く暴れ回っている。
国府弘子がドラムを叩き,八尋洋一がピアノを弾き,岩瀬立飛がベースを弾いているような“以心伝心”のピアノ・トリオが,3人で“国府ワールド”を奏でている。
国府弘子さん,こんな「秘蔵」世界レベルのピアノ・トリオを有していたのでしたら,もっと早く聴かせてくれてもよかったのにぃ。最高です。本当に涙ちょちょ切れてしまいました。心震える〜。
国府弘子の長年の大ファンである管理人が『オラ!』で見つけた「国府弘子の新発見」は,これまでずっとメロディー偏重主義を貫いてきた国府弘子が,初めてリズム重視でアレンジしてみせたアルバムだと思っている。スパニッシュにラテンに4ビートに8ビートにクラシック調…。
これぞ「スペイン」効果! 4ビートの【SPAIN】が映える映える〜! 国府弘子が叩いているかのような岩瀬立飛の超絶ドラミングばかりを耳で追ってしまう。絶品の【THE BALLAD】が白眉である。
やっぱりリズムが“クリエイトする”ジャズっていいよなぁ。その上を奏でる美メロっていいよなぁ。腰を動かしていると笑顔になれるジャズっていいよなぁ。

気後れしていた『ニューヨーク・アンカヴァード』から,威風堂々と貫録を感じる『オラ!』の肝は国府弘子のジャズ・ピアノである。
「オラ!,オラ!,どけどけ。弘子様が通る〜」。
国府弘子の揺るぎない自信が音となって迫ってくる。爽やかな風が吹いているのだが,微塵も動じない,国府弘子の貫禄と風格を感じずにはいられない。
管理人は国府弘子の“裏名盤”として『オラ!』を推薦いたします。
01. Hola!
02. Mi Tesoro
03. Catedral
04. Soiree Dans Grenade
05. Danza Ritual Del Fuego
06. Gypsy Baroque
07. Coccala
08. Wings
09. Spain
10. The Ballad
11. Mis Amigos
(ビクター/JVC 2007年発売/VICJ-61528)