HOLA!-1 「非主流のジャズ・ピアニスト国府弘子ピアノ・トリオ第二作『HOLA!』(以下『オラ!』)は,10年以上の“レギュラー”ピアノ・トリオを組む,ベース八尋洋一ドラム岩瀬立飛との「国府弘子・スペシャル・トリオ」での初レコーディング。

 ライヴで鍛え上げられた,国府弘子八尋洋一岩瀬立飛との「鉄壁のコンビネーション」は,あのクリスチャン・マクブライドミノ・シネル組のピアノ・トリオを凌駕している。

 「スペイン」をテーマとした『オラ!』の楽曲は,情熱的なのに緩急自在のアレンジが施されており,緻密で細やかな展開で盛り上がり続ける。国府弘子ジャズ・ピアノでここまで大立ち回りできたのは,国府弘子のリクエストを一音だけで察知できるベーシストドラマーがいればこそ! 「書き譜のようなカチッとしたアドリブを武器に」実に気持ち良く暴れ回っている。

 国府弘子ドラムを叩き,八尋洋一ピアノを弾き,岩瀬立飛ベースを弾いているような“以心伝心”のピアノ・トリオが,3人で“国府ワールド”を奏でている。
 国府弘子さん,こんな「秘蔵」世界レベルのピアノ・トリオを有していたのでしたら,もっと早く聴かせてくれてもよかったのにぃ。最高です。本当に涙ちょちょ切れてしまいました。心震える〜。

 国府弘子の長年の大ファンである管理人が『オラ!』で見つけた「国府弘子の新発見」は,これまでずっとメロディー偏重主義を貫いてきた国府弘子が,初めてリズム重視でアレンジしてみせたアルバムだと思っている。スパニッシュラテンに4ビートに8ビートにクラシック調…。

 これぞ「スペイン」効果! 4ビートの【SPAIN】が映える映える〜! 国府弘子が叩いているかのような岩瀬立飛の超絶ドラミングばかりを耳で追ってしまう。絶品の【THE BALLAD】が白眉である。

 やっぱりリズムが“クリエイトする”ジャズっていいよなぁ。その上を奏でる美メロっていいよなぁ。腰を動かしていると笑顔になれるジャズっていいよなぁ。

HOLA!-2 世界TOPのリズム隊と組んだ『ニューヨーク・アンカヴァード』の肝がミノ・シネルであるとすれば,国内TOPのリズム隊と組んだ『オラ!』の肝は岩瀬立飛のようで,そうではない。
 気後れしていた『ニューヨーク・アンカヴァード』から,威風堂々と貫録を感じる『オラ!』の肝は国府弘子ジャズ・ピアノである。

 「オラ!オラ!,どけどけ。弘子様が通る〜」。
 国府弘子の揺るぎない自信が音となって迫ってくる。爽やかな風が吹いているのだが,微塵も動じない,国府弘子の貫禄と風格を感じずにはいられない。

 管理人は国府弘子の“裏名盤”として『オラ!』を推薦いたします。

  01. Hola!
  02. Mi Tesoro
  03. Catedral
  04. Soiree Dans Grenade
  05. Danza Ritual Del Fuego
  06. Gypsy Baroque
  07. Coccala
  08. Wings
  09. Spain
  10. The Ballad
  11. Mis Amigos

(ビクター/JVC 2007年発売/VICJ-61528)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)