夏・全・開-1 高中正義と来れば「夏」の定番イメージが決定付けられたのが『夏・全・開』であろう。
 いいや,これは世間一般の固定観念である。管理人的には『夏・全・開』と来れば「夏」を飛び越えて「海」を連想するアルバムなのである。

 『夏・全・開』のジャケット写真がそうさせるのか? はたまた『夏・全・開』のアーティスト名が「高中正義 and 楽園ガールズ」になっているせいなのか? 「CLUB TROPICALYPSO」の文字がそうさせるのか?
 とにかく高中正義と来れば「夏」であり「海」。その強烈なイメージは『夏・全・開』から来ているのだと思う。

 まぁ,もはや理由などどうでもよい。管理人は毎年夏になると『夏・全・開』を1回は聴いている。1984年のリリースだから実に30年間以上,高中正義を,そして『夏・全・開』を聴き続けている。
 な・の・に・全く飽きが来ない! 管理人がシビアに拝聴するのではなく,日常的なBGMとしてドツボにハマった名盤の1枚が高中正義の『夏・全・開』なのである。

 やっぱり曲がいいんだよなぁ。そして音楽以外の部分でも思い入れが強いんだよなぁ。
 例えば『夏・全・開』で,打ち込みもイケルようになった。逆に打ち込みっていいじゃん,と思うようなった。そしてヴォーカルものもイケルようになった。逆にコーラスっていいじゃん,と思うようなった。きっと他にも…。

 そして『夏・全・開』を基準として,他の夏アルバムを評価するようになってしまった。同じ夏アルバムであっても,例えば松岡直也の『夏の旅』のイメージは「海」というより「山」に聴こえるよう変化した。『夏の旅』の「夏」とは「田舎のお盆の夏」のイメージ…。

夏・全・開-2 そう。それくらい強烈に脳内に「海」が擦り込まれた『夏・全・開』は「真夏のど真ん中」である。
 実は“高中正義の夏”にもいろんな夏があって,爽やかな『CAN I SING?』は“初夏”のイメージだし,東芝EMI移籍後の『TRAUMATIC 極東探偵団』は“9月の海”だし『JUNGLE JANE』は“残暑”のような夏アルバム…。

 お祭り気分の遊びの部分とバリエーションの豊富さで群を抜く『夏・全・開』こそが“高中正義の夏”の「王道中の王道」なのだと思っている。

 そんな「王道中の王道」『夏・全・開』の全10曲の中でも「王道中の王道」トラックが5曲。【EYELAND】【CUBAN HEELS】【SUMMERTIME BLUES】【RETURN ACE】【NEPTUNE】である。
 この5トラックの神曲こそが「タカナカ・サウンド」を象徴する代表曲である。

  01. ようこそ,夏の王国へ
  02. PARADIZZY
  03. EYELANDS
  04. CUBAN HEELS
  05. 大航海時代
  06. DANCING TO CAT GUITAR
  07. SUMMERTIME BLUES
  08. RETURN ACE
  09. NEPTUNE
  10. OYASUMI

(キティ・レコード/KITTY RECORDS 1984年発売/KTCR-1023)

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