SWEET THING-1 スムーズ系のサックス・プレイヤーと来れば「昔・グローヴァー・ワシントンJR.,今・ケニー・G」で決まりだと思う。
 ただし,グローヴァー・ワシントンJR.にしてもケニー・GにしてもBIGすぎる。声高に「グローヴァー・ワシントンJR.スムーズ・ジャズだ。ケニー・Gスムーズ・ジャズだ」と叫ぼうものなら異論噴出になるだろう。

 そう。グローヴァー・ワシントンJR.にしてもケニー・Gにしても,もはやスムーズ・ジャズのカテゴリーを超えている。ガッチリと自分の音世界を確立してる。イメージが出来上がりすぎている。
 ゆえに管理人はスムーズ系のお奨めサックス・プレイヤーと問われれば,最近はもっぱらボニー・ジェイムスと答えることが多い( ← たまに気分でネルソン・ランジェルだったりする )。

 ボニー・ジェイムスの答えは,絶対にグローヴァー・ワシントンJR.ケニー・Gの「格落ち」などではない。
 ボニー・ジェイムスグローヴァー・ワシントンJR.ケニー・Gに引けを取らない実力者。何よりも一音聴いてボニー・ジェイムスと認識できる個性を確立している。
 じわじわとBIG2との距離を縮めている。「全米ジャズ・チャート19週間NO.1」を獲ったのだから,グローヴァー・ワシントンJR.は超えたのかも?

 そんなボニー・ジェイムスの“売れに売れた代表作”が『SWEET THING』(以下『スウィート・シング』)!
 管理人が持っているのは『スウィート・シング(ニュー・エディション)』なる再発盤。エリック・ベネイヴォーカルを1トラック追加収録してロングセラーを狙ったわけなのです。それ位売れるアルバムです。

 売れる理由はすぐに分かります。この雰囲気なのです。軽い,それでいて軽くないのです。テクニックに裏付けられた高度なフレージングが多く登場するのに非常に耳馴染みが良い。聞き流しても良いし,聞き入っても良い。「メロディーが連続している」感じなのです。

SWEET THING-2 『スウィート・シング』が流れていると気分が落ちついてくる。無心になってくる。
 そう。なんだかんだで管理人は『スウィート・シング(ニュー・エディション)』の10曲の楽曲ではなく,ボニー・ジェイムスサックスの音だけを無意識のうちに聴いている。無心になって追いかけている。そんな自分に気付くことがある。

 ボニー・ジェイムスはいい。絶対にいい。まだまだ『スウィート・シング(ニュー・エディション)』が聴き飽きない。

  01. East Bay
  02. Nothin' But Love
  03. Words (Unspoken)
  04. Sweet Thing
  05. It's All Good
  06. After The Rain
  07. Innocence
  08. I Still Dream
  09. Ivory Coast
  10. It's All Good (Bonus Remix)

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1999年発売/WPCR-10611)
(ライナーノーツ/中田利樹)

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