
順当なら高中正義の“最高傑作”は『夏・全・開』になったと思う。でも『夏・全・開』は「TUBE」みたいなもので冬には聴こうと思わない。その点で『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』は気分を上げたい時に丁度良い。
そう。『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』こそが,管理人の高中正義一番の愛聴盤なのである。
管理人の「高中聴き」のスタイルは,ほぼスピーカー再生であって,ながら聴きで聴くことの方が多い。いつものヘッドフォンでのリスニングはしない。
これは悪口ではない。「タカナカ・サウンド」の真髄はメロディーであってテクニックではない。ギターであってヴォーカルではない。だからいつでも取っ付きやすく聴きやすいのだ。
その意味で『JUNGLE JANE』が“最高傑作”で悔いはない。これぞ高中正義の「エンターテイーナー」のピークに違いない。
特にライブ盤『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』が生バンドだから感じることだが,高中正義の緻密なスタジオ・ワークが素晴らしいことを何度も再確認させられた。
高中正義は「ライブではエフェクターを極力少なく,レコーディングでは多く」と何かの記事で読んだ記憶があるが「スタジオではライブでの再現など考えず,今本気で聴かせたいギター・フュージョンを追及していたことが「後から後から」発見できた。

そう。『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』での高中正義が大熱演。こんなにも高中正義がライブでアドリブを弾きまくるとは予想していなかった。
キーボードの森村献,キーボードの石川清澄,ベースのデレク・ジャクソン,ドラムの北村健太,コーラスの大滝裕子と吉川智子が見事に高中正義のエレキと一体化している。素晴らしい。
【BLUE LAGOON’86】におけるトリガー音源でのギター・シンセ・ソロが会場を煽りまくる様が圧巻。
【渚・モデラート】も寂しい夏の終わりではなく,情熱的なライブ演奏の方が高中っぽくて好みである。
01. JUNGLE JANE
02. BAY STREET FIX
03. WARM SUMMER WOMAN
04. エピダウロスの風
05. BLUE LAGOON '86
06. CHASE
07. JACKIE'S TRAIL
08. CHINA
09. JUMPING TAKE OFF
10. SHAKE IT
11. 渚・モデラート
(東芝EMI/EASTWORLD 1986年発売/CA32-1349)