『FADE TO BLUE』(以下『フェイド・トゥ・ブルー』)と過ごす「夏」。それはどこかのリゾート・ホテルで過ごす「夏」。それもホテルの目の前が貸し切りのプライベート・ビーチではなく,ホテル内のプールサイドで寝そべりながら過ごす「夏」。
つまりはリッチな「夏」。優雅な「夏」。上質な「夏」。それまでは身近に感じていた高中正義の「夏サウンド」が,富裕層向けの,自分には手の届かないグレードの「夏サウンド」に響いてしまったのが,今となっては残念である。
『フェイド・トゥ・ブルー』は多分,名盤である。その思いは管理人が大人になればなるほど(中身は置いておいて,時間の経過と共に)強く意識するようになった。
東芝EMI移籍後の高中正義は『フェイド・トゥ・ブルー』に限らず,そのどれもが洋楽っぽいのだが,こと『フェイド・トゥ・ブルー』では「AOR」に流れていると思う。
『フェイド・トゥ・ブルー』での高中正義は,以前と比べてギターの音数を減らしてきている。その分,キーボードが前面に出てきている。何だかギター・フュージョンというより「映画音楽」に近い譜面割がなされている。
思い返せば,高中正義のアルバムは全て,ギターをどう歌わせるか?の一点集中型であったが,ついに高中正義も大人になったというか,高中正義の興味がギター以外に向けられたというか…。
前半の5曲=【TURQUOISE SUMMER】〜【ONCE IN A BLUE MOON】〜【SHADES OF MORNING】〜【MY LOVE】〜【HEAVEN】の流れは,苦味の全く無いクリアーな味わいで,それこそ新しいビールの宣伝に持ってこいである。
後半の6曲は共同プロデューサーとして参加したカシオペアの向谷実と松岡直也グループの津垣博通の「非・タカナカ・サウンド」の音がゴージャス・チックに仕上がっている。
管理人の結論。『フェイド・トゥ・ブルー』批評。
極論を書くと『フェイド・トゥ・ブルー』は高中正義が「自分の好きなもの」ではなく「本当に良い音楽」「みんなが良いと思う音楽」に初めて正面から取り組んだ雰囲気がある。
力一杯ではなく余裕を残して“自慢の”「タカナカ・サウンド」を別の視点で見つめ直してリメイクした感じのアルバムである。
ホテルのプールサイドで『フェイド・トゥ・ブルー』の構想を練っていた高中正義。もしかしてニーチェでも読んだのかな? それともアガサ・クリスティーだったのか?
どちらにしても「TAKANAKA・AOR」な『フェイド・トゥ・ブルー』は大人の「脱力感」が産み落とした「裏名盤」の1枚である。
01. Turquoise Summer
02. Once In A Blue Moon
03. Shades Of Morning
04. My Love
05. Heaven
06. Bahama Mama
07. T.G.I.F.
08. Oh! Tengo Suerte
09. Talk To The Wind
10. Besame Mucho
11. Ballade 2U
つまりはリッチな「夏」。優雅な「夏」。上質な「夏」。それまでは身近に感じていた高中正義の「夏サウンド」が,富裕層向けの,自分には手の届かないグレードの「夏サウンド」に響いてしまったのが,今となっては残念である。
『フェイド・トゥ・ブルー』は多分,名盤である。その思いは管理人が大人になればなるほど(中身は置いておいて,時間の経過と共に)強く意識するようになった。
東芝EMI移籍後の高中正義は『フェイド・トゥ・ブルー』に限らず,そのどれもが洋楽っぽいのだが,こと『フェイド・トゥ・ブルー』では「AOR」に流れていると思う。
『フェイド・トゥ・ブルー』での高中正義は,以前と比べてギターの音数を減らしてきている。その分,キーボードが前面に出てきている。何だかギター・フュージョンというより「映画音楽」に近い譜面割がなされている。
思い返せば,高中正義のアルバムは全て,ギターをどう歌わせるか?の一点集中型であったが,ついに高中正義も大人になったというか,高中正義の興味がギター以外に向けられたというか…。
前半の5曲=【TURQUOISE SUMMER】〜【ONCE IN A BLUE MOON】〜【SHADES OF MORNING】〜【MY LOVE】〜【HEAVEN】の流れは,苦味の全く無いクリアーな味わいで,それこそ新しいビールの宣伝に持ってこいである。
後半の6曲は共同プロデューサーとして参加したカシオペアの向谷実と松岡直也グループの津垣博通の「非・タカナカ・サウンド」の音がゴージャス・チックに仕上がっている。
管理人の結論。『フェイド・トゥ・ブルー』批評。
極論を書くと『フェイド・トゥ・ブルー』は高中正義が「自分の好きなもの」ではなく「本当に良い音楽」「みんなが良いと思う音楽」に初めて正面から取り組んだ雰囲気がある。
力一杯ではなく余裕を残して“自慢の”「タカナカ・サウンド」を別の視点で見つめ直してリメイクした感じのアルバムである。
ホテルのプールサイドで『フェイド・トゥ・ブルー』の構想を練っていた高中正義。もしかしてニーチェでも読んだのかな? それともアガサ・クリスティーだったのか?
どちらにしても「TAKANAKA・AOR」な『フェイド・トゥ・ブルー』は大人の「脱力感」が産み落とした「裏名盤」の1枚である。
01. Turquoise Summer
02. Once In A Blue Moon
03. Shades Of Morning
04. My Love
05. Heaven
06. Bahama Mama
07. T.G.I.F.
08. Oh! Tengo Suerte
09. Talk To The Wind
10. Besame Mucho
11. Ballade 2U
(東芝EMI/EASTWORLD 1992年発売/TOCT-6538)
(デジパック仕様)
(デジパック仕様)