COME ON DOWN!-1 エディ・ハリスと来れば「電気サックスの人」として有名であるが,それって新しもの好きで新しい楽器も流ちょうに演奏できるエディ・ハリスのマルチな才能の表われであって,エディ・ハリスの根っ子には「ファンキー」を感じている。

 そんな「ファンキー・キング」エディ・ハリスが,例の新しもの好きに惹かれて,サザン・ロックで「ファンク」したのが『COME ON DOWN!』(以下『カモン・ダウン』)である。

 要するに,流行りの音楽を最新の楽器で演奏したわけなのだが,エディ・ハリス特有の“緩いノリ”がロック・ビートと相まって,ジャズの枠を超えてダンサブル。本当に「器用貧乏」の貧乏くじを引いた人なのだと思っている。

 スタイルをチェンジし続けるエディ・ハリスの『カモン・ダウン』は,サザン・ソウル的なファンキー・ジャズ
 サザン・ロックの陽気なサウンドがエディ・ハリスの「電気サックス」で見事になぞらえていく。これは楽しいポップ・アルバムと捉えてしまいがちであるが,繰り返し聴いているとエディ・ハリスの根っ子=「ファンキー」が聴こえてくる。

 サックス・プレイヤーとしてのエディ・ハリスには,それこそ「怪人二十面相」を実現したキワモノの趣きが漂っているが,エディ・ハリスの音楽性には,いつでも「ファンキー」が混ざっている。

COME ON DOWN!-2 管理人の結論。『カモン・ダウン批評

 前ノリ,後ノリ,タテノリ,ヨコノリ,何でも来い! 全てのノリを乗りこなすエディ・ハリスがサザン・ロックの“緩いノリ”でまどろんだのが『カモン・ダウン』。
 ファンキー・ジャズの軽めの演奏に「電気サックス」が映えている。

PS エディ・ハリスは,その昔,某友人からCDを貸りてアルバム10枚は聴いていましたが,敬愛するブランフォード・マルサリスをして「唯一のサックスの巨人」と言わしめたエディ・ハリスには未だ出会えないでいます。今回,もしやと思って購入した『カモン・ダウン』の1枚だけがエディ・ハリスコレクションです。

  01. DON'T YOU KNOW YOUR FUTURE'S IN SPACE
  02. LIVE RIGHT NOW
  03. REALLY
  04. NOWHERE TO GO
  05. FOOLTISH
  06. WHY DON'T YOU QUIT

(アトランティック・ジャズ/ATLANTIC JAZZ 1970年発売/WPCR-27921)
(ライナーノーツ/後藤誠)

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