
そんな「ファンキー・キング」エディ・ハリスが,例の新しもの好きに惹かれて,サザン・ロックで「ファンク」したのが『COME ON DOWN!』(以下『カモン・ダウン』)である。
要するに,流行りの音楽を最新の楽器で演奏したわけなのだが,エディ・ハリス特有の“緩いノリ”がロック・ビートと相まって,ジャズの枠を超えてダンサブル。本当に「器用貧乏」の貧乏くじを引いた人なのだと思っている。
スタイルをチェンジし続けるエディ・ハリスの『カモン・ダウン』は,サザン・ソウル的なファンキー・ジャズ。
サザン・ロックの陽気なサウンドがエディ・ハリスの「電気サックス」で見事になぞらえていく。これは楽しいポップ・アルバムと捉えてしまいがちであるが,繰り返し聴いているとエディ・ハリスの根っ子=「ファンキー」が聴こえてくる。
サックス・プレイヤーとしてのエディ・ハリスには,それこそ「怪人二十面相」を実現したキワモノの趣きが漂っているが,エディ・ハリスの音楽性には,いつでも「ファンキー」が混ざっている。

前ノリ,後ノリ,タテノリ,ヨコノリ,何でも来い! 全てのノリを乗りこなすエディ・ハリスがサザン・ロックの“緩いノリ”でまどろんだのが『カモン・ダウン』。
ファンキー・ジャズの軽めの演奏に「電気サックス」が映えている。
PS エディ・ハリスは,その昔,某友人からCDを貸りてアルバム10枚は聴いていましたが,敬愛するブランフォード・マルサリスをして「唯一のサックスの巨人」と言わしめたエディ・ハリスには未だ出会えないでいます。今回,もしやと思って購入した『カモン・ダウン』の1枚だけがエディ・ハリス・コレクションです。
01. DON'T YOU KNOW YOUR FUTURE'S IN SPACE
02. LIVE RIGHT NOW
03. REALLY
04. NOWHERE TO GO
05. FOOLTISH
06. WHY DON'T YOU QUIT
(アトランティック・ジャズ/ATLANTIC JAZZ 1970年発売/WPCR-27921)
(ライナーノーツ/後藤誠)
(ライナーノーツ/後藤誠)
コメント一覧 (2)
THE SQUARE「THE SQUARE YEAR END Live 20151226」,
T-SQUARE「T-SQUARE YEAR END Live 20151219-24 Best Take Complete Selection」の配信版を買って、聴いてみました。先の2枚のうちから、一曲ずつ(トラヴェラーズとTRUTHです。)、去年のアルバムの特典映像に収録されました(youtubeで見ました。)が、チキンジョージでのライブ音源としては、2000年のライブ盤の『モーメント』以来だったので、嬉しかったです。一部の曲では、途中からオーソドックスなジャズになったりして、面白いアレンジのテイクもありました。
あっ,凄いです。記事には書きませんでしたがトム・スコットの『アップルジュース』。激似ですよね〜。同じことを感じていたとはシンパシー〜。
さて,THE SQUARE(T-SQUARE)の配信版。私は未聴ですが今後も買わないと思っていました。でもでも「途中からオーソドックスなジャズになったりして、面白いアレンジのテイクもありました」と書かれたら。もしかして買うかもです。