
しかし,同じジャズ・サックス期のMALTAでありながらも『MALTA』『SWEET MAGIC』寄りではなく,フュージョン・サックス期の『SPARKLING』にイメージが近い。
というか「大人のライト・ジャズ」だったMALTAの印象が『サマー・ドリーミン』で一気に若返って「イケイケのジャズ・パワー」を感じるようになった。
MALTAのジャズ・サックスが甘いのそのままにエネルギッシュに響き出したのが『サマー・ドリーミン』からだと思う。
その理由を問われれば,以後の重要なキーワードとなる「夏」であろう。波の音で始まり波の音で終わる『サマー・ドリーミン』が,カシオペア,スクェア,松岡直也,高中正義が既に活躍していた「夏」のBGMというビッグなフィールドに繰り出したのだ。
ただし『サマー・ドリーミン』でのMALTAの「夏」は真っ昼間でもないし,南国の熱帯でもない。そうではなく,朝晩がひんやりとした避暑地での夏,爽やかな朝日と夕陽の夏である。
佳曲揃いの『サマー・ドリーミン』であるが,個人的には【MORNING FLIGHT】一択である。
【MORNING FLIGHT】での岡沢章のベース・ラインが最強である。そこに絡む松原正樹のリズム・ギターと渡嘉敷祐一のJAZZYなドラムがこれまたよい。
【MORNING FLIGHT】の別口ではMALTAの甘いアルト・サックスに絡むJOE STRINGSがこれまた最高で盛り上げる盛り上げる。俄然,ロマンティック・MALTAにメロメロでトロトロ〜。

ただし管理人が愛する【MORNING FLIGHT】は『サマー・ドリーミン』の【MORNING FLIGHT】ではなく『MY HIT & RUN』のアンコール曲となった【MORNING FLIGHT II】の方なのです。ちゃんちゃん。
01. SUMMER DREAMIN'
02. MORNING FLIGHT
03. SEA EXPRESS
04. OCEAN SIDE
05. SUPER WAVE
06. ALL THROUGH THE NIGHT
07. FANCY WALKIN'
08. SUNSHINE STREET
09. HAVE A NICE DAY
10. A LETTER FROM SEPTEMBER
11. SUMMER DREAMIN' II
(ビクター/JVC 1985年発売/VDJ-1016)
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