
『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』のリーダーはサウンド・デザインを担当した松武秀樹。アレンジャーは乾裕樹。
松武秀樹も乾裕樹もシンセサイザーを演奏するのだが,実際の演奏は深町純に任せている。
( ここで後日談。深町純は『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』のサウンド・デザインやアレンジが気に入らなかったのだろう。自分で『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』の焼き直しに当たる『宇宙戦艦ヤマト〜シンセサイザー・ファンタジー』なるアルバムを制作している )
要するに『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』の時点では,深町純の参加はシンセサイザー・プレイヤーとしての評価であって,音楽全体のイメージは松武秀樹と乾裕樹のものだということ。
個人的にはその方が良い。深町純のファンとしては,迷盤『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』を深町純の音だと勘違いしたくないから…。
そういうことでここからは深町純への感情を除いた『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』の評価について書く。
そもそも『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』というアルバムは“シンセサイザー有き”の企画盤である。
シンセサイザー=宇宙的・未来的なイメージが連想される時代があった。管理人は『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』のリリース後,数年経過してからYMOの洗礼を受けた世代である。
とは言え,シンセサイザーを強烈に意識したのはYMOではなく喜多郎である。もっと言えば喜多郎というよりFM東京系「サントリー・サウンド・マーケット」のBGMが全てである。
「サントリー・サウンド・マーケット」の“天にも昇る感じ”の音イメージはオーケストラ+シンセサイザーあってのこと! 壮大な未来。すっごいことが起こりそうな未来。今まで聴いたことのないサウンドの広がりはシンセサイザーであればこそ!
「スター・ウォーズ」が今でも爆発的な人気を拡げている現状と比較すると,現状では,なぜシンセサイザーがここまで廃れてしまったのか不思議である。

『SPACE FANTASY + LIVE SPACE FANTASY』斬新だったのは「未来志向のシンセサイザー・ミュージック」というカテゴリーだけであって,肝心の音楽自体はクリエイトされていない。
テクノロジーの実験の場だったから,有名曲をシンセサイザーで演奏するとこんな感じ,で面白かったのだと思う。この企画ものを一番面白がっているのはドラマー=村上秀一であろう。ビシビシと決まるリズムが一級品です。
若き日の野呂一生と渡辺香津美の両雄が“エレキ”って感じのギターを弾いています。これもアナログ・シンセのおかげだと思います。
DISC-1 SPACE FANTASY
01. 序曲―宇宙戦艦ヤマト
02. 深夜の追跡
03. イスカンダル
04. 白い朝
05. 真っ赤なスカーフ
06. 宇宙戦艦ヤマト
07. 飛行中隊
08. エンジェルダスト
09. 未知との遭遇
10. 明日への希望―夢
DISC-2 LIVE SPACE FANTACY
01. プロローグ〜イスカンダル〔宇宙戦艦ヤマト〕
02. マーメード ブールヴァード
03. “スターウォーズ”のテーマ
04. ザ・バランス
05. “火の鳥”のテーマ
06. ザ・スカードロン
07. “2001年宇宙の旅”のテーマ ツァラトストラはかく語りき
(フォーライフレコード/FOR LIFE RECORDS 1978年発売/FLCF5027)
(CD2枚組)
(紙ジャケット仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様仕様)
(ライナーノーツ/松武秀樹)
(CD2枚組)
(紙ジャケット仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様仕様)
(ライナーノーツ/松武秀樹)
コメント一覧 (2)
ブログ再始動うれしいです。そして春模様の写真ブログがうれしいです。
やはり写真は構図ですよね。私好みの目の付け所で大自然を切り抜いておられます。息吹き!