
あの人の音色がどうとか,この人のフレージングがどうとか,感想を話し合って仲間内で大いに盛り上がりたいわけなのです。← ただし現実は,ほぼ一人っきりでニヤニヤしながら楽しむ毎日。淋しい〜。
でっ,そんな管理人が渋さ知らズに手を出したのは,ズバリ,片山広明のテナー・サックス目当てである。
あれっ,渋さ知らズとはベーシストの不破大輔の混成ビッグ・バンドだったのでは? それはそうなのだが,その不破大輔をして,片山広明を「渋さで言えば4番バッター」と評している。
渋さ知らズでは,一度参加したメンバーは以後永久にメンバー扱いになる。その法則で行くと歴代の全メンバーは100名以上に及ぶそうだ。
その100名の凄腕メンバーの中で「4番バッター」を張る片山広明の実力は「世界レベル」にして「地底レベル」。片山広明のテナー・サックスは完全に逝っている。
渋さ知らズのファンの間で『渋夜旅』は不評である。その理由は渋さ知らズの真髄とはライブ・バンドなのであって,緻密なスタジオ録音の『渋夜旅』は渋さ知らズのお面を被ったニセの渋さ知らズという論法。
「ニセスクェア」=『MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS』のような感じ?
渋さ知らズのファンの間で『渋夜旅』は不完全燃焼なアルバムなのかもしれない。しかし『渋夜旅』の購入目的が片山広明のテナー・サックスにあるファンとしては,これはこれでいい演奏だと満足してしまった。
渋さ知らズの聴き所である,怒涛の音圧とリズムに圧倒される心地良さの上を走り回る片山広明のテナー・サックスが超カッコイイ。
いいや,片山広明のテナー・サックスに踊らされて,渋さ知らズが『渋夜旅』で「昼顔」を見せていると考えるべきアルバムだと思う。

ただし,片山広明が参加していないトラックは,どこかスカパラっぽくもあり,どこかPE’Zっぽくもあり,確かに渋さ知らズのファンの間で『渋夜旅』が不評なのも理解できる。
『渋夜旅』を聴き終えて,やっぱり渋さ知らズの「エース」は片山広明を実感。
(…と書いた舌の根も乾かぬうちに)『渋夜旅』のハイライトは【HYOEI】である。室舘彩のクセのあるヴォーカルを聴いたが最後。1週間は頭の中をぐるぐる回る〜!
01. DORAGO
02. GONTASYL
03. A NIJI-MUSHI IN THE WATER
04. HYOEI
05. ISLAND TANGO
06. WATARI
07. UKISHIBU
08. A DAY IN THE LIVE
ENCORE TRACK
09. UKISHIBU EPILOGUE
10. GONTA CHOPPER, PT.1
(プランクトン/PLANKTON 2010年発売/VIVO-103)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/市川正二)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/市川正二)