CHAMELLEON-1 「本多俊之ラジオクラブ」と来れば,テレビ朝日系「ニュースステーション」のオープニング・テーマや,伊丹十三の映画「マルサの女」「ミンボーの女」のテーマ曲を連想してしまう。

 そんな中,管理人が初めて買った「本多俊之ラジオクラブ」のCDは『CHAMELLEON』(以下『カメレオン』)だった。
 『カメレオン』の衝撃たるや,イントロ一発で「本多俊之ラジオクラブ」の“音”が飛び出して来たことを覚えている。

 ズバリ「本多俊之ラジオクラブ」の“音”とは「エキゾチック・ジャズ」である。日本情緒の香りがするジャズを演奏しながらも,大きくとらえて日本もアジアや中東の一部。台湾とか東南アジアとか,当時流行っていた「電波少年」のイメージを持つ。← なんのこっちゃ。

 意味不明の読者の皆さんには【CEREZO ROSA(GOBLIN VERSION)】と【TIME IS DREAM】の2曲を聴いてもらいたい。多分,管理人の気持ちが理解できるから!?

 本多俊之の吹くソプラノサックスが“ヘビ使い”の扱う笛のように聴こえるからか,どうにもアラブとかインドの「アブラカタブラ」のイメージを抱いてしまう。
 その実,本多俊之の吹くソプラノサックスは「絶品中の絶品」であって,中東ではなく都会的なイメージに振れたなら,あのケニー・Gになれるくらいの腕前だと思っている。

CHAMELLEON-2  そんな“ヘビ使い”本多俊之がコブラの入ったザルの中から,ニュキニョキッと取り出したのが,これまた「猛獣」ばかり。以前の「本多俊之ラジオクラブ」のザルの中には,ギター是方博邦ベース鳴瀬善博ドラム東原力哉という「野獣王国」のメンバーが3人も入っていたのだから,本多俊之の“ヘビ使い”の凄さが分かるというものだろう。

 なるほど! だから本多俊之は久米宏や伊丹十三を転がすこともできたのだ。本多俊之の“音”を世間に知らしまるために,もっと「ニュースステーション」が続いたらよかったのにぃ。

 ただし『カメレオン』の時点では「本多俊之ラジオクラブ」の半導体はダイオードからトランジスタへとUPDATE。LAの凄腕ジャズメンが中心メンバーへとUPDATE。
 もはや時代はラジオの時代ではなくなっていた。本多俊之本人も「本多俊之ラジオクラブ」の時代ではなくなっていた。

  01. phantom of the earth
  02. hara-hara
  03. gimmick mask
  04. mosaic city
  05. cerezo rosa (goblin version)
  06. half mirror
  07. quiet jungle
  08. time is dream
  09. the new globe
  10. quit×enter

(東芝EMI/WHO RING 1990年発売/TOCT-5852)
(ライナーノーツ/佐藤英輔)

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