
「TKY」「AQUAPIT」のドラマーは大槻“KALTA”英宣以外には務まらなかったと思っている。管理人世代を熱狂させてくれる沼澤尚の次世代を担うJAM系ドラマーである。
大槻と来れば「筋肉少女帯」だし,KALTAと来ればカルマだし,大槻“KALTA”英宣が芸名であることを知った時「こんな芸名を付けるとはさぞやイカレたドラマー」だと危険を感じていたものだ。
しかし,実際の演奏はそうではない。大槻“KALTA”英宣のスタイルはイカレたの正反対であって,楽曲のツボを突きまくる端正なドラミングは理性的に思えた。
大槻“KALTA”英宣はJAM系が最高だと知りつつも,もっとジャズ系に寄ってきてほしい。そう思わせるバックから攻め上ってくる「迫るビート感」が大槻“KALTA”英宣の最大の武器だと思う。

その意味で『VERTICAL−ENGINE』は演者を選ぶ(聴き手を選ぶではない。そこが重要!)難度の高いアルバムであった。
そんな難度高めの『VERTICAL−ENGINE』に大槻“KALTA”英宣が選んだメンバーは,ドラムの大槻“KALTA”英宣,アルト・サックスとソプラノ・サックスの太田剣,テナー・サックスの鈴木央紹,ギターの小沼ようすけと天野清継と鈴木よしひさ,オルガンの金子雄太,キーボードの新澤健一郎,ピアノの秋田慎治と田中信正,ベースの鈴木正人と鳥越啓介と岡田治郎のツワモノたち。一癖もふた癖もある言うことなしの豪華演奏メンバー。

ズバリ『VERTICAL−ENGINE』には「バンド・リーダー」大槻“KALTA”英宣の“HOTでCOOLな”統率力が刻まれている。
01. STRATEGY
02. ALTERNATOR
03. SNARL (VERSION)
04. MOON LOST
05. ARITHMETIC
06. BACH-LOGY SHIFT
07. IMAGE
08. LEGWORK AND CHASE
09. CLOUD CASTLE
10. ICON
11. EPISTROPHY
(JAZZZ/JAZZZ 2008年発売/MAIR-2001)
(☆スリップ・ケース仕様)
(ライナーノーツ/松永誠一郎)
(☆スリップ・ケース仕様)
(ライナーノーツ/松永誠一郎)