DANCE UPON A TIME-1 松岡直也の「音楽活動40周年」祭りのテーマは「東京発ラテン・ダンス・ミュージック」。
 いつものラテン・フュージョンをベースに,ブラスストリングス,さらにはヴォーカルコーラスが加わった“マンボ・ナオヤ”の世界が広がるのが『DANCE UPON A TIME』である。

 『DANCE UPON A TIME』の豪華で豪奢な音が真にスペシャル感漂っている。ダンサブルだがメロディアスで,濃密だが聴きやすい作品へと昇華されている。ジャケットのイラストから連想される『ハートカクテル』に似た,松岡直也のお洒落感覚にも脱帽である。

 『DANCE UPON A TIME』の音が重厚なのに軽快なのには理由がある。
 松岡直也の大編成コンボと来ればWISINGがあるが『DANCE UPON A TIME』ではWISINGの手法を封印させた,王道のビッグ・バンド・チックな「東京発ラテン・ダンス・ミュージック」。

 『DANCE UPON A TIME』の肝は“伝家の宝刀”パーカッション。16ビートでゆったり裏拍を強調するラテン・パーカッションが曲をリードし,そこに美しいコードのピアノが絡み合い,ディストーション・ギターがうねりまくる。
 再録の3曲を含めて選曲はメロディアスなものが多い。パーカッションを前面に出すために,敢えてねっとりと絡みつくような美メロとの対比で上手にバランスをとっている。

 『DANCE UPON A TIME』が狙うは従来のラテン・フュージョン・ファンではなく,お洒落なダンス・ミュージック・ファンである。ただし,それって流行りのユーロでもトランスでもなく(もちろんパラパラでもなく)ダンス・ホールである。

DANCE UPON A TIME-2 なんだか最先端なのに松岡直也の懐古趣味が利いているというか『DANCE UPON A TIME』には“古き良き時代”の郷愁を感じさせるものがある。

 あっ,だから40周年記念盤なわけね〜。昔の松岡直也も良かったと思わせいわけね〜。
 個人的には本田雅人のゲスト参加が最大のハイライト〜。個人的にはペッカー津垣博通のゲスト参加が懐かしい〜。

  01. AMANECER TROPICAL
  02. I'VE GOT MY LOVE TO KEEP ME WARM(Big Band Version)〜
     恋に寒さを忘れ

  03. CANCION DE MAREA
  04. THE CONFESSION
  05. MAMBO NAOYA '92〜マンボ・ナオヤ '92
  06. POOLSIDE LOVE AFFAIR(Big Band Version)
  07. NO TE VAYAS〜とっても好きだから
  08. YOU'VE GOT IT BAD GIRL
  09. LIKE A VOLCANO
  10. LADY IN THE SHADE(Orchestra Version)

(ワーナー・ミュージック・ジャパン/WARNER MUSIC JAPAN 1992年発売/WPCL-678)

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