「ラリー・カールトン WITH SPECIAL GUEST リチャード・ボナ」! LIVEレポート2日目の今夜はステージング編です。

 超ビッグな“スーパー・ギタリストラリー・カールトンギターは衰え知らずなのだろう。ラリー・カールトンの若い時の演奏を聞いたことなどないのだが,あのギターを“円熟”という言葉では表現したくない。
 若々しいし,今なお持って進歩し続けているのだろう。テクニックというハートである。

 個人的にラリー・カールトンと来ればどうしてもフォープレイでの名演が頭に浮かぶのだが,やっぱりラリー・カールトンというギタリストは,本人が何度も口にしているようにフュージョン系ではなく“ブルース・ギタリスト”なのだと思った。テクニックというよりブルージーで超カッコイイ。

 ラリー・カールトンがステージの進行を全て仕切っていく。この前の渡辺貞夫のように,あらかじめ準備しておいたセットリストの中から,その場その場の雰囲気で「ラリーが今演りたい曲」を決めていくスタイル。

 そんなラリー・カールトンの“ムチャブリ”に対応していくバンド・メンバーがこれまた秀逸! 
 ポール・ワイマールの堅実なアルトサックスが伸びやか! ルスラン・シロタキーボードソロでの暴れっぷり! ジーン・コイドラムソロの豊富なレパートリーこそがライブの第三のハイライト!
 則ちラリー・カールトンの選んだサイドメンなのだから腕は確かだし,才能があるし。

 「スペシャル・ゲスト」であるリチャード・ボナが準主役。どんなに難曲であっても余裕でベースを指弾きしつつグルーヴするベース
 そこへ完璧にシンクロしてヴォーカルとユニゾンしている。リチャード・ボナの演奏は全部が「歌」となっている。ベース・ラインを意識することなく簡単にハーモニーを付けていく。やっぱりリチャード・ボナは“天才”。それも桁外れの“天才”であった。

 MCでは低音なのに歌いだすとあの高音。「HELLO,FUKUOKA。おやすみなさい」は“エンターテイナー”リチャード・ボナの面目躍如。ラリー・カールトンを立てつつ,最後は自分が持っていく〜。

 会場の皆がラリー・カールトンが大好き。会場の皆がリチャード・ボナが大好き。そんな幸福感に満たされたライブ
 ラリー・カールトン・ファンには馴染みの代表曲ばかりのセットリストにも好感が持てた。

 それでもやっぱりアンコールでの【ROOM 335】のイントロが流れ出すと会場の空気が一気に変わる。そんなフュージョンの「生きた歴史」を自分の目で耳で目撃せよ!

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ後半のセットリストについても報告しておきます。

08.STILL THERE(リチャード・ボナ SOLO)
09.ラリー・カールトン SOLO
10.BURNABLE
11.FANNIE MAE

アンコール:
12.#1090〜THOUSAND DREAMS 13.ROOM 335>