SWEET & THE BEAST-1 何だか1度野獣王国を経由したら,野獣以降の是方博邦野獣以降の難波弘之野獣以降の鳴瀬善博野獣以降の東原力哉の聴き方が変わってしまったようでして…。

 野獣王国の良い所は,メンバー全員がフュージョン界の重鎮ながら,バンドとしてはまだ走り出したばかりの「新人バンドの1つ」に所属。他の仕事との掛け持ちにして,定期練習を欠かさない趣味バンドのポリシーとして,バンド・サウンドを固めていく過程が聴ける所。

 もう成長するも何も関係ないレベルの完成されてしまっている4人の野獣メンバー。個人としては「押しも押されぬ大御所」の4人の演奏だが,野獣メンバーの一人として耳を傾けると,ウソか誠か,成長して聴こえてしまうのだからタマラナイ。

SWEET & THE BEAST-2 野獣以降の是方博邦野獣以降の難波弘之野獣以降の鳴瀬善博野獣以降の東原力哉が全員,年齢が10歳は若返ったように聴こえてしまう。

 これもやっぱり,フュージョンの洗練されたしなやかさはもちろん,ロックの野趣溢れる醍醐味も押し出した野獣王国のバンド・サウンドは,まさしく“パワー・フュージョン”と呼ぶに相応しい。
 音楽にパワーを注入しながら自分自身のパワーもチャージできる。そんな良い循環が野獣王国のバンド・サウンドにはあるのだろう。

 野獣王国の第三作『SWEET & THE BEAST』(以下『スイート&ザ・ビースト』)は,濃厚なのにうっとうしくはなく,勢いがありながらも実に繊細な音楽言語で表現されている。オヤジたちが成長している部分である。

SWEET & THE BEAST-3 『スイート&ザ・ビースト』の「SWEET」担当曲は,スロー・バラードというよりも,紳士的でエレガントに演奏されるロマンティック系から来た「甘さ」が感じられる。
 『スイート&ザ・ビースト』の「THE BEAST」担当曲は,アイアン・メイデンばりのヘビィ・メタルというよりも,難波弘之お得意のプログレから来た“パワー・フュージョン”仕上げである。

 管理人の結論。『スイート&ザ・ビースト批評

 『スイート&ザ・ビースト』の聴き所は,メンバー個人のフレッシュな演奏力とバンド・サウンドの真新しさ&新鮮さにある。
 通常のバンド運営であれば,時間を共有するにつれ,暗黙の了解のうちに演奏がまとまる良さがあるのだが,野獣王国に関しては,時間を共有するにつれ,暴れて良いギリギリの線で勝負できる良さがある。そうしてどんなに暴れようとも,決して外さない信頼感関係がある。

SWEET & THE BEAST-4 フュージョン・バンドとは本来,野獣王国のように長く活動するにつれ,重責から解放されて,若々しく自由な音楽が演奏できる場所であってほしい。

 出でよ「THE BEAST」! 出でよ,第二の野獣王国

PS 普段インナーはスキャンしないのですが「SWEET & THE BEAST-3」「SWEET & THE BEAST-4」の封入漫画は読者の皆さんにも読んでほしいと思いました! 拡大して見て&楽しんで!

  01. THREE FUNK BEARS
  02. THE COURT OF THE BEAST KING
  03. MAHOROBA '99
  04. RIPPLET
  05. HURRICANE-Z
  06. EUROPEAN RATS
  07. VIOLET PAPILLON
  08. MY FOOLISH HEART
  09. ORBIT
  10. JINGLE JANGLE JAM
  11. THEME FROM “E.T.”

(パドルホイール/PADDLE WHEEL 1999年発売/KICP-695)
(ライナーノーツ/吉留大貴)
(ライナー・コミック/とり・みき)

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