
バンド名が復活した理由はまたの機会に書くとして,要するに「フル・ムーン」とは「ラーセン・フェイトン・バンド」。則ち,ニール・ラーセンとバジー・フェイトンの双頭バンド。
インスト・フュージョンのニール・ラーセンと歌ものロックのバジー・フェイトンの混成バンド。則ち,そのまんまの「フル・ムーン」の1stが『FULL MOON』なのである。ちゃんちゃん。
1st『FULL MOON』と来れば,ジャズとロックが融合した“クロスオーヴァー”ミュージックの走りとして名高い「伝説」の1枚である。
ニール・ラーセンとバジー・フェイトンだから生み出せた,唯一無二の音楽性+唯一無二のバランス感覚。これが『FULL MOON』の「伝説」たる最大の理由である。
商業的には不発に終わったものの,山下達郎を筆頭に“早すぎたクロスオーヴァー・サウンド”として,バンド解散後に高く再評価された名盤『FULL MOON』。
『FULL MOON』の形容詞“早すぎた〜”であるが,時代が追いついた今の耳にも新鮮さ抜群。というよりもニール・ラーセンの“早すぎた〜”時代を先取りしミスマッチしているフュージョン・センスには驚きさえ感じてしまう。

そう。全ての音楽ファンを魅了し,受け入れる“懐の深さ”が『FULL MOON』にはあるのです。ニール・ラーセンにはあるのです。
…とここまで書いてきたが,管理人の正直な評価は『FULL MOON』の出来の良さを心から認めるが,実際に『FULL MOON』を引っ張り出して聴くのはインストの4曲だけ。個人的にはミニアルバムっぽい扱いなのです。
01. THE HEAVY SCUFFLE'S ON
02. TO KNOW
03. MALIBU
04. TAKE THIS WINTER OUT OF MIND
05. MIDNIGHT PASS
06. NEED YOUR LOVE
07. SELFISH PEOPLE
08. HREE STEP DANCE
(ダグラス/DOUGLAS 1972年発売/YDCD-0033)
(ライナーノーツ/バジー・フェイトン,高橋健太郎)
(ライナーノーツ/バジー・フェイトン,高橋健太郎)