LARSEN-FEITEN BAND-1 「フル・ムーン」の『FULL MOON』。リリースしたのが時代に早すぎたがゆえにアルバムは売れずにバンドは解散してしまった。
 「フル・ムーン」の分身である「ラーセン=フェイトン・バンド」名義の『LARSEN−FEITEN BAND』(以下『ラーセン=フェイトン・バンド』)は,ニール・ラーセンの音楽性に,やっと時代が追いつきスマッシュ・ヒット。めでたしめでたし。

 しか〜し『ラーセン=フェイトン・バンド』の真実とは「時代が追いついた」だけではなく「近未来を預言したフュージョン・サウンド」。今聴いてもいつ聴いても新鮮な衝撃を受けてしまう。

 ただし,一般的に『ラーセン=フェイトン・バンド』について語られる場合は,フュージョン名盤としてではなくAORの名盤としてである。
 事実「フル・ムーン」〜「ラーセン=フェイトン・バンド」の時代は,メイン楽器がヴォーカルギターのパターンか,キーボードギターの2パターン構成である。

 『ラーセン=フェイトン・バンド』の場合も,インストの2曲が秀逸だというだけで,アルバムの全8曲中6曲が歌ものである。これをAORとジャンル分けされても致し方ない。
 だからどうにも「スティーリー・ダン」っぽく感じてしまうのだが,あちらが豪華ゲストを適材適所で起用した「作り込まれた」名盤であるなら,こちらはバンド・スタイルだから出せた名盤の“味”〜。

 「フル・ムーン」と「ラーセン=フェイトン・バンド」では,ニール・ラーセンバジー・フェイトン以外のメンバーは全員交代している。
 しかしそれでも(管理人はインスト曲しか聴かないので歌ものを含めた正確な違いについては語れないが)「フル・ムーン」と「ラーセン=フェイトン・バンド」のスタイルの違いはごくわずかなものだと思っている。
 つまり,それ位にニール・ラーセンバジー・フェイトンの音がバンドの中心として鳴っているのだ。

LARSEN-FEITEN BAND-2 ニール・ラーセンJAZZYでAORなキーボードバジー・フェイトンのROCKでR&Bなギターが実にまろやか!
 POPなメロディをキーボードがソウルフルに歌い,ファンキーなグルーヴに乗ったギターがメロディアスに歌うフュージョン・サウンド!

 『ラーセン=フェイトン・バンド』収録のインストの2曲。【FURTHER NOTICE】と【AZTEC LEGEND】が文句なしにカッコイイ!
 特にバジー・フェイトンギター・ワークの輝きっぷりは『ラーセン=フェイトン・バンド』での演奏が最高峰だと思わせる凄みがある。

  01. WHO'LL BE THE FOOL TONIGHT
  02. DANGER ZONE
  03. FURTHER NOTICE
  04. OVER
  05. SHE'S NOT IN LOVE
  06. MORNING STAR
  07. MAKE IT
  08. AZTEC LEGEND

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1980年発売/WPCR-732)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)