
そう。ニール・ラーセンのキーボードとバジー・フェイトンのヴォーカル&ギターがバンドの不動の2TOP。「フル・ムーン」も「ラーセン=フェイトン・バンド」も同じバンドなのです。安藤正容と伊東たけしの2TOP然り〜。
ただし,冒頭の質問が出て来る気持ちもうなずける。この混乱の一因はニール・ラーセン&バジー・フェイトンの側にもある。
それが「フル・ムーン」〜「ラーセン=フェイトン・バンド」の3作目『FULL MOON FEATURING NEIL LARSEN & BUZZ FEITON』(以下『フルムーン・フィーチャリング・ニール・ラーセン&バジー・フェイトン』)の存在にある。
「フル・ムーン」ファンの間では,この「1st+2nd=3rd」のアルバム・タイトルの紛らわしさを笑い飛ばして終わらせるのが常であるが,音楽評論家の間では苦言と混乱が生じているようで,今回のライナーノーツでも高橋健太郎が長々とバンド名とアルバム・タイトルの矛盾について書き記しているが,そんな解説など全く意味がない。
「フル・ムーン」とは,そして「ラーセン=フェイトン・バンド」とは,初めから「フルムーン・フィーチャリング・ニール・ラーセン&バジー・フェイトン」だったのだから…。
ズバリ『フルムーン・フィーチャリング・ニール・ラーセン&バジー・フェイトン』の特長とは「1st+2nd=3rd」のアルバム・タイトル通りの素晴らしいAOR/フュージョンであって,ニール・ラーセンのオルガン・フュージョンとバジー・フェイトンのサザン風味のギター・ポップ・ロックが曲順を含めて融合したインスト&歌ものアルバムの大名盤。

この快感はパット・メセニー&ライル・メイズか,ニール・ラーセン&バジー・フェイトンか,という感じ。
『フルムーン・フィーチャリング・ニール・ラーセン&バジー・フェイトン』は,JAZZYなのに,ウエストコースト・サウンドのような爽やかさをも併せ持つ,カラッカラに乾いた音のAOR/フュージョン。
都会的で洗練されたサウンドなのに“気分上々”なリラックスした雰囲気が最高に聴いて楽しい名演集の1枚である。
01. PHANTOM OF THE FOOTLIGHTS
02. THE VISITOR
03. TWILIGHT MOON
04. SIERRA
05. BROWN EYES
06. HERO'S WELCOME
07. STANDING IN LINE
08. LITTLE COWBOYS
(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1982年発売/WPCP-3546)
(ライナーノーツ/高橋健太郎)
(ライナーノーツ/高橋健太郎)