SPECTRUM-1 上原ひろみの10年振りのピアノ・ソロSPECTRUM』をフラゲして購入後1カ月聴き続けた。
 正確にはこの1カ月間,ボーナスディスクの『LIVE AT BLUE NOTE NEW YORK 2010』ばかりを聴いていたし,途中からは『PLACE TO BE』を聴くようになった。

 『BRAIN』『SPIRAL』『VOICE』『MOVE』まで引っ張り出しては『SPECTRUM』と交互に聴き比べてみたりもした。遂には更に進んで山中千尋を聴いてみたりしちゃって…。

 少しでも『SPECTRUM』が,引っ掛かってくれれば,美味しい部分を聴き逃していたのでは,とファンとしては様々な角度から最大限の努力を払ってみたつもりです…。

SPECTRUM-2 管理人の結論。『SPECTRUM批評

 残念ながら『SPECTRUM』を2度と聴くことはないと思う。仮に時間が余って,上原ひろみピアノ・ソロを聴こうと思ったとしたら,断然『PLACE TO BE』を選ぶ。この2枚のクオリティには途方もなく大きな差がついている。一体どうした上原ひろみ

 『SPECTRUM』からは,いいメロディーが出て来ない。管理人が上原ひろみに惚れたのはピアニストとしてではない。名コンポーザーとしての“HIROMI”に惹かれている。なのに一体どうした上原ひろみ

SPECTRUM-3 この不調は環境の変化なのか? やはりアンソニー・ジャクソンのリタイアが痛い。もはや「トリオ・プロジェクト」の再始動は望めない。『SPECTRUM』は次の人選に入りながらの,間を埋めるためのピアノ・ソロ企画だったのだろう。

 『SPECTRUM』は内容が薄い。【KALEIDOSCOPE】と【SPECTRUM】には上原ひろみの“らしさ”があるが,正直,CDを聴き終えて頭の中でリフレインする曲が1曲もなかった。オリジナル曲の不作が今回のカヴァー曲の大量採用に向かわせたのだろう。

 いつのまにか管理人の視聴行動は,チャーリー・チャップリンに捧げたラグタイム風のテンポ・チェンジが面白い【MR.C.C.】と,これぞ!名バラードな【SEPIA EFFECT】の2曲だけを聴くアルバムと化している。
 『SPECTRUM批評は以上で終わり〜。

SPECTRUM-4 さて,ここからは『LIVE AT BLUE NOTE NEW YORK 2010批評
 実はボーナスディスクの『LIVE AT BLUE NOTE NEW YORK 2010』って,同タイトルで2011年にリリース済のDVDの音声部分のリマスタリング盤である。

 これが超いいライブ盤でして,特に【THE GAMBLER】における観客との“戯れ具合”に上原ひろみの陽性がハッキリと出ている。
 帰って来い! “エンターテイナー”の上原ひろみ! 戻って来い! 『PLACE TO BE』で聴かせてくれた“おセンチな”上原ひろみ

  01. Kaleidoscope
  02. Whiteout
  03. Yellow Wurlitzer Blues
  04. Spectrum
  05. Blackbird
  06. MR. C.C.
  07. Once in a Blue Moon
  08. Rhapsody in Various Shades of Blue
  09. Sepia Effect

    Bonus Disc〜Live at Blue Note New York 2010
  01. BQE
  02. Sicilian Blue
  03. Choux a la Creme
  04. Pachelbel's Canon
    Viva! Vegas
  05. Show City, Show Girl
  06. Daytime in Las Vegas
  07. The Gambler
  08. Place to Be

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