FROZEN DAYS-1 カシオペアザ・スクェアで幕開けした管理人のジャズフュージョン人生。そこからまずは主要なフュージョン・グループ,ナニワ・エクスプレスMALTA松岡直也辺りを聴きまくりトドメはやっぱりウェザー・リポート。この流れは今でも続いている。

 どちらにしても当時の主要な情報源はFMラジオとFM雑誌であった。ジャズフュージョンのFMラジオと来れば,平日夜に毎日放送されるNHK−FM「クロスオーバー・イレブン」とFM東京系「ソニー・デジタル・サウンド」。週末にはNHK−FMの「セッション○○」とFM東京系の「渡辺貞夫・マイ・ディア・ライフ」である。「サントリー・サウンドマーケット」とか「ローディ・ライブ・コンサート」とか「ゴールデン・ライブ・ステージ」とか「渡辺香津美・ドガタナ・ワールド」辺りもよく聴いていた。

 …でっ,何が書きたいのかというと「渡辺貞夫・マイ・ディア・ライフ」である。この番組を毎週エアチェックしていたので,管理人は「もうフュージョンには戻れない」というくらいにジャズに影響されていた。尤もジャズなんて,チンプンカンプン,だったし大人な雰囲気に魅了されていただけである。

 その流れでジャズ雑誌を買うようになった。途中からコマーシャリズムに嫌気がさして買わなくなったが「スイング・ジャーナル」にジャズのイロハを教えてもらった。そして書籍も「拾い読み」するようになり,初めて自分のおこずかいで買ったのが山下洋輔の「ピアニストに手を出すな!」であった。

 「ピアニストに手を出すな!」の中にはフリージャズの大物の名前がわんさか出てくる。その全員の名前など初めて知ったし,何よりどんな楽器の人かも分からないし,つまりは音を聴いたこともない。妄想に次ぐ妄想の毎日だったが,そんな状態でも「若さは力」。この書籍を繰り返し読んでいた記憶がある。

 …でっ,山下洋輔の『FROZEN DAYS』である。管理人にとって山下洋輔の『FROZEN DAYS』とは「ピアニストに手を出すな!」とイコールであった。
 つまり,何回聴いても意味が理解できない。良さが理解できない。面白くもなんともない。それでこの記事の冒頭に戻ることになる。「もうフュージョンには戻れない」と感じていたはずのに,フリージャズに敗れて「尻尾を蒔いて」逃げてしまった。

FROZEN DAYS-2 あれから30年。管理人も立派なオジサンになった。いろいろと趣味をかじってきたが,一番長続きしているのが音楽でありジャズフュージョンである。すでに大抵の名盤と呼ばれるものは聴いてきたという自負はある。

 そろそろだと思った。今なら『FROZEN DAYS』を攻略できそうな気がしていた。
 でもダメだった。『FROZEN DAYS』の良さがやっぱり&さっぱり分からない。もはや感性の問題なのだろう。
 オーネット・コールマンは大好きなのに山下洋輔は基本的には苦手で敬遠している。しかし森山威男は大好きなのだから,どういうこと?

 キャリアを積み重ねてきたとしても,自分でも好き嫌いの基準が良く分からない。要は聴いてみること,1枚でも多くアルバムを聴くことなのである。

  01. PROPHASE
  02. DOUBLE HELIX
  03. CHIASMA
  04. INTERPHASE
  05. MITOCHONDRIA

(日本クラウン/CROWN 1975年発売/DICR-2008)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/河野典生)

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