BASS ACKWARDS-1 ブライアン・ブロンバーグの『BASS ACKWARDS』(以下『ベース・アクワーズ』)を聴いて,これがベーシストソロ・アルバムだと思う人は世界に1人もいないことだろう。
 『ベース・アクワーズ』とは「100%ギタリスト」のソロ・アルバムに聴こえる。それもハード・ロック系のギンギンなエレキギターを弾きまくったアルバムに聴こえる。初めの数回は…。

 しかし,ブライアン・ブロンバーグ好きが繰り返し聴けば,ベース好きが繰り返し聴けば,これぞ史上最高の“百花繚乱のベース・アルバム”であることを実感せずにはいられない。
 ブライアン・ブロンバーグが『ベース・アクワーズ』で,再びエレクトリックベースに「革命」を起こしたことが伝わってくる…。

 そう。ベースを究めればギターなんて要らない。ギターという楽器の中身は実はベースだったのだ。
 ベースとは地味な性格の人に似合う楽器。ギターとは派手な性格の人に似合う楽器。弦が4本ならベースと呼ぶし弦が6本ならギターと呼ぶ。ただ見かけだけの違い。バンドに上手なベーシストが1人いればギタリストはエアーでOK&お飾りでOK。

 『ベース・アクワーズ批評であれば,そんな暴言さえも許されるくらい,ベースギターを超えている! ベースギターに勝っている!
 ブライアン・ブロンバーグの「ベース愛」が爆発して,ブライアン・ブロンバーグがついにベーシスト稼業を「廃業」した趣きさえあるのだが,真実はその逆であり,ブライアン・ブロンバーグがまたまたベースという楽器の可能性を拡げているのだ。

 ベース,お・そ・ろ・し・や〜。ベース,お・く・ぶ・か・し〜。

BASS ACKWARDS-2 『ベース・アクワーズ』を繰り返し聴き込むと,ギターのように聴こえていたはずのベースが,真に骨太ベース・サウンドとしてハッキリと聴こえ出すようになる。
 ギターと(高音域担当の)ピッコロベースの違いは音の長さと太さ。ピックではなく指弾きの醍醐味である「深い音色」がベースの“らしさ”である。

 ブライアン・ブロンバーグは絶対にギターなど弾かない。ブライアン・ブロンバーグベース以外の楽器を手に取ることもない。

 ここまでギタリスト然としたアルバムを作ったくせに,ここまでベースを感じさせてくれるとは…。
 ブライアン・ブロンバーグベーシストとしてのプライドは揺るぎない。

  01. Through The Window
  02. The Dungeon
  03. Good Morning
  04. Trade Show
  05. Carlos
  06. Top Down
  07. Fooled Ya!
  08. The Message Within
  09. Flight Of The Phoenix

(キングレコード/KING RECORD 2004年発売/KICJ 467)
(ライナーノーツ/森川進,坂本信)

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