ゲイリー・トーマスがリードする「M−BASE」のオルガン・ジャズが超カッコイイ。これぞ「新しいオルガン・ジャズ」の誕生である。
『EXILE’S GATE』(以下『エグザイルズ・ゲイト』)には,タイプの異なる2つのオルガン・コンボが収められている。
オルガニストで語ればティム・マーフィーとチャールス・コヴィントンの違いであるし,ギタリストで語ればマーヴィン・スウェルとエド・ハワードの違いであろうが,それ以上にベース入りか?ベースレスか?の違いの方が大きい。
すなわち,ベース入りのオルガンを「M−BASE」の文脈で鳴らすトラックと,新しいジャズサウンドの1つの核としてベースをオルガンで色付したトラックの違いである。
その点でゲイリー・トーマスの“盟友”であるティム・マーフィーが本職であるオルガニストとして参加した意義は大きい。ティム・マーフィーのイマジネーションが,そのまんま「M−BASE」の文脈で鳴り響くオルガン・ジャズ。
ベースラインは,これまたエド・ハワードが最高のベースラインを弾いている。「M−BASE」のティム・マーフィーだからできた“ベースが主役を張れる”オルガン・ジャズが超カッコイイ。
一方のチャールス・コヴィントンのオルガンは「王道」である。こちらにはゲイリー・トーマスが加入している「スペシャル・エディション」のジャック・デジョネットとの共演である。
ジャック・デジョネットとゲイリー・トーマスが組めば,それだけで「スペシャル・エディション」の音が鳴るのだが,チャールス・コヴィントンのオルガンが「スペシャル・エディション」を“オルガン・ジャズの深み”へと誘っていく。
ゲイリー・トーマスの狙いこそが,チャールス・コヴィントンの「舵取り」を期待してのことだったと思うが,大ベテランのチャールス・コヴィントンが「M−BASE」の音選びに興味津々であって,従来のオルガン・ジャズの壁を「スペシャル・エディション」のパワーによってブレイクスルーできたと思う。
ちょうど『エグザイルズ・ゲイト』の発売と同じ時期,管理人は「メデスキ,マーティン・アンド・ウッド」にハマッテいた。「メデスキ,マーティン・アンド・ウッド」の,どこからともなく“降ってきた”ジャムに相当衝撃を受けていた。
きっとゲイリー・トーマスもその1人だったのだろう。そして「M−BASE」のオルガン・ジャズに可能性を感じたことだろう。
管理人は思う。「M−BASE」の雄であるゲイリー・トーマスが,当時のオルガン・リイバイバル・ブームから外れた「新しいオルガン・ジャズ」を演ったからこそ,後の「メデスキ,マーティン・アンド・ウッド」「ソウライヴ」がブレイクする道筋が開けたのだと…。
01. Exile's Gate
02. Like Someone In Love
03. Kulture Bandits
04. Blues On The Corner
05. Night And Day
06. No Mercy Rule
07. A Brilliant Madness
『EXILE’S GATE』(以下『エグザイルズ・ゲイト』)には,タイプの異なる2つのオルガン・コンボが収められている。
オルガニストで語ればティム・マーフィーとチャールス・コヴィントンの違いであるし,ギタリストで語ればマーヴィン・スウェルとエド・ハワードの違いであろうが,それ以上にベース入りか?ベースレスか?の違いの方が大きい。
すなわち,ベース入りのオルガンを「M−BASE」の文脈で鳴らすトラックと,新しいジャズサウンドの1つの核としてベースをオルガンで色付したトラックの違いである。
その点でゲイリー・トーマスの“盟友”であるティム・マーフィーが本職であるオルガニストとして参加した意義は大きい。ティム・マーフィーのイマジネーションが,そのまんま「M−BASE」の文脈で鳴り響くオルガン・ジャズ。
ベースラインは,これまたエド・ハワードが最高のベースラインを弾いている。「M−BASE」のティム・マーフィーだからできた“ベースが主役を張れる”オルガン・ジャズが超カッコイイ。
一方のチャールス・コヴィントンのオルガンは「王道」である。こちらにはゲイリー・トーマスが加入している「スペシャル・エディション」のジャック・デジョネットとの共演である。
ジャック・デジョネットとゲイリー・トーマスが組めば,それだけで「スペシャル・エディション」の音が鳴るのだが,チャールス・コヴィントンのオルガンが「スペシャル・エディション」を“オルガン・ジャズの深み”へと誘っていく。
ゲイリー・トーマスの狙いこそが,チャールス・コヴィントンの「舵取り」を期待してのことだったと思うが,大ベテランのチャールス・コヴィントンが「M−BASE」の音選びに興味津々であって,従来のオルガン・ジャズの壁を「スペシャル・エディション」のパワーによってブレイクスルーできたと思う。
ちょうど『エグザイルズ・ゲイト』の発売と同じ時期,管理人は「メデスキ,マーティン・アンド・ウッド」にハマッテいた。「メデスキ,マーティン・アンド・ウッド」の,どこからともなく“降ってきた”ジャムに相当衝撃を受けていた。
きっとゲイリー・トーマスもその1人だったのだろう。そして「M−BASE」のオルガン・ジャズに可能性を感じたことだろう。
管理人は思う。「M−BASE」の雄であるゲイリー・トーマスが,当時のオルガン・リイバイバル・ブームから外れた「新しいオルガン・ジャズ」を演ったからこそ,後の「メデスキ,マーティン・アンド・ウッド」「ソウライヴ」がブレイクする道筋が開けたのだと…。
01. Exile's Gate
02. Like Someone In Love
03. Kulture Bandits
04. Blues On The Corner
05. Night And Day
06. No Mercy Rule
07. A Brilliant Madness
(バンブー/BAMBOO 1993年発売/POCJ-1191)
(ライナーノーツ/成田正)
(ライナーノーツ/成田正)