
こういう話を聞くと,読者の皆さんも一度自分の耳で確かめたくなったのでは?
…で,アーマッド・ジャマルの【枯葉】入りのアルバムをCDショップで幾つか探すとゲイリー・バートンの文字に釣られて『イン・コンサート』を購入。
『イン・コンサート』はライブ盤なので,例の真偽を断定することは難しいが,確かに似ている。イントロなんて“まんま”だと思う。
でもいいじゃないですかっ。マイルス・デイビスだって「人の子」。自分の好きな人を真似てみたくなるものです。
アーマッド・ジャマルはマイルス・デイビスにとって“憧れのピアニスト”第一位! → ちなみにマイルス・デイビスが共演した“一番凄かったピアニスト”第一位はキース・ジャレット! ハービー・ハンコックでもチック・コリアでもない。そこんとこ・よ・ろ・し・く・です。
マイルス・デイビスがアーマッド・ジャマルを自分のバンドに入れたかったのは有名なお話。アーマッド・ジャマルにフラれて,代役であるレッド・ガーランドに向かって「アーマッド・ジャマルのように弾いてくれ」と頼んだのも有名なお話。
レッド・ガーランドがTOPのピアニストにまで上り詰めることができたのは,マイルス・デイビスからの訓練を受けて,アーマッド・ジャマルのような“控え目な旋律と軽さ”を身に着けることができたからに違いない。
『イン・コンサート』でのアーマッド・ジャマルが確かに凄い! ベースのサブ・アデヨラとドラムのペイトン・クロスレイを意のままに操る“ワンマン・オーケストラ”の趣きを感じる。
そこに割って入ったのが『イン・コンサート』の主役であるゲイリー・バートンである。アーマッド・ジャマルにもマイルス・デイビスにも申し訳ないが,ゲイリー・バートン入りの3トラックとゲイリー・バートン抜きの2トラックでは印象が多分に異なっている。
ズバリ,ゲイリー・バートン抜きのジャズ・コンサートとゲイリー・バートン入りのジャズ“ロック”コンサートの違いである。

だから“素の”アーマッド・ジャマルを良く知らない管理人にとって,アーマッド・ジャマルという人はジャズ・ロックの人であり,ソウルフルなジャズ・ピアニストのままで評価が止まっている。
そのうちアーマッド・ジャマル様のちゃんとした代表作を聴いてみますねっ。
でも,もしやこの評価は当たっているのかも? マイルス・デイビスなら認めてくれたかも?
とにもかくにも,キース・ジャレットにしてもチック・コリアにしてもパット・メセニーにしても小曽根真にしても,今回のアーマッド・ジャマルにしても,共演者の隠れた才能を「これでもか!」と引き出してくれるゲイリー・バートンこそが真の音楽マイスター!
01. Introduction
02. Morning Of The Carnival
03. One
04. Bogata
05. Tones For Joan's Bones
06. Autumn Leaves
AHMAD JAMAL : Piano
SABU ADEYOLA : Bass
PAYTON CROSSLEY : Drums
GARY BURTON : Vibraphone
(クラウン/BREAKTIME 1981年発売/BRJ-4051)
(ライナーノーツ/市川正二)
(ライナーノーツ/市川正二)
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