
『TIMEAGAIN』の再演となる【DELIA】と【LITTLE FLOWER】収録。『TIMEAGAIN』のヴィブラフォン奏者がマイク・マイニエリだったから,別のヴィブラフォン奏者との共演を聴いてみたくなった。
そのヴィブラフォン奏者が「たまたま」ボビー・ハッチャーソンだったというわけで,個人的にボビー・ハッチャーソンに有難みは感じていない。
加えて“デヴィッド・サンボーン買い”2つ目の理由は,オルガン奏者のジョーイ・デフランセスコである。
デヴィッド・サンボーンとジョーイ・デフランセスコは『ONLY EVERYTHING』で共演済だし『HEARSAY』『CLOSER』『HERE & GONE』でのオルガン奏者との共演盤も脳裏によぎる。
しばらくデヴィッド・サンボーンのソロ・アルバムも出ていないことだし,これは絶対に買いでしょう…。
でっ,ヴィブラフォンのボビー・ハッチャーソンとオルガンのジョーイ・デフランセスコと組んだジャズ・サックスのデヴィッド・サンボーンが素晴らしい。
最近の不調がウソのようなデヴィッド・サンボーンの野太い鳴り! その秘密こそがセッション・リーダーであるボビー・ハッチャーソンの硬質なヴィブラフォンにあると思う。
特に期待などしていなかったボビー・ハッチャーソンの存在感がとてつもなく大きいと思う。休止の時間帯でも「重し」として利いている。あれだけ騒がれるだけのことはある。
ボビー・ハッチャーソンの“クールな”ヴィブラフォンが,デヴィッド・サンボーンの闘志に火をつけている。ボビー・ハッチャーソンと来れば「新主流派」の人であるが,どうしてどうして。
ブルーノートのボビー・ハッチャーソンと来れば『HAPPENINGS』ともう1枚が『OUT TO LUNCH』。そう。あのエリック・ドルフィーを“喰った”人だったのだ。

『エンジョイ・ザ・ビュー』の聴き所とは,デヴィッド・サンボーンの「完全復活」! 「フュージョン界のスーパー・スター」としての看板を降ろして久しいが,ジャズを吹いてもブルースを吹いてもR&Bを吹いてもデヴィッド・サンボーンはデヴィッド・サンボーン!
ジャズ・ファンにとっての『エンジョイ・ザ・ビュー』とは,ボビー・ハッチャーソンのブルーノート・アゲインの記念碑的アルバムであるが“サンボーン・キッズ”にとっての『エンジョイ・ザ・ビュー』とは“エモーショナル”なデヴィッド・サンボーン・アゲインの記念碑的アルバムである。
01. Delia
02. Don Is
03. Hey Harold
04. Little Flower
05. Montara
06. Teddy
07. You
BOBBY HUTCHERSON : Vibes
DAVID SANBORN : Saxophone
JOEY DeFRANCESCO : Organ, Trumpet
BILLY HART : Drums
(ブルーノート/BLUE NOTE 2014年発売/UCCQ-1009)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/熊谷美広)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/熊谷美広)