
資生堂の渡辺貞夫やサントリーの伊東たけしはTVCMで全国区のスターになった。しかし数あるCM群の中でも語られるべきはJTであろう。
マイルドセブン系のPRISMや角松敏生,ピース系の天野清継や中川昌三,そしてキャビン系のMALTAである。
MALTAの時代は長く【SCRAMBLE AVENUE】【HIGH PRESSURE】【ZOOM】が流されていた。
管理人は特にMALTAのCMが大好きだった。MALTAのTVCMはBVDとかでも流れていたが,松本恵二や星野一義というレーシング・ドライバーと組んだもので,同時期のF−1の大ヒット・テーマであるザ・スクェアの【TRUTH】と張り合っていた。
そんな“カッコイイ”MALTAのTVCMが終わった。タイガー大越に変わった。…でっ,タイガー大越って誰?
タイガー大越のことはCMで初めて知った。そしてCM曲【FACE TO FACE】が気に入った。あのMALTAの後釜なのだからカッコ良くて当然である。待望久しいJ−フュージョンの人気トランぺッターの誕生であった。
…でっ,2。【FACE TO FACE】収録のアルバム『FACE TO FACE』(以下『フェイス・トゥ・フェイス』)を購入した。
タイガー大越のトランぺットの個性とはセクシー将軍の響きであろう。金管特有のいやらしさでなく木管の男のセクシーさがダダ洩れしている。
タイガー大越もその点を自覚しているのか,トランぺットとシンセサイザーを組み合わせた楽曲が多い。個人的には【WHO CAN I TURN TO】が白眉である。

MALTAのところにも元ナニワ・エキスプレスの岩見和彦がいるが,そこはあくまで「MALTAはMALTA」。タイガー大越はまだその域までは届いていない。
そういうことでナニワ・エキスプレスに引っ張られた“バブル人気”のタイガー大越のTVCMは【FACE TO FACE】の1曲で終わった。
ただし【FACE TO FACE】の大インパクトは,バブル末期の“打ち上げ花火”だ〜。
PS 【FACE TO FACE】という楽曲名はMALTAにもありますし,何ならMALTAの【FACE TO FACE】の方が有名なのでは? MALTAとタイガー大越にはなぞの共通点多すぎです。
01. FACE TO FACE
02. ONE NOTE SAMBA
03. SUMMERTIME
04. A MAN WITH 20 FACES
05. WHEN THE MOON GOES DEEP
06. DON'T TELL ME NOW
07. SENTIMENTAL JOURNEY
08. WHO CAN I TURN TO
09. BUBBLE DANCE
10. EYES
11. FISHERMAN'S SONG
12. OVER THE RAINBOW
TIGER OKOSHI : Trumpet, Voices
GERRY ETKINS : All Keyboards, Synthesizer Programings, Acoustic Piano
TAKAYUKI HIJIKATA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
KOH SHIMIZU : Electric Bass, Synthesizer Bass
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums
(ビクター/JVC 1989年発売/VDJ-1198)
ミカ書1章 罪と反抗が災難を招く
渡辺貞夫 ライヴ・アット武道館 『ハウズ・エヴリシング』