管理人はCDコレクターの1人である。確かに所有CD3000枚越えは,普通のジャズ・ファンとしては立派な数字だと思っている。
しかしこの世界は「CD1000枚,2000枚は当たり前」とされる世界である。「上には上」がいる。しかも相当の人数がいる。決して軽口などたたけるレベルではないのだ。
おおっと,何だか書きたいことから逸れてしまった。管理人が本当に書きたかったのは「セラビー,よくぞ3000枚越えで踏みとどまっている」の方なのだ。本当はもっともっと上限枚数にいっているはず。
ではなぜ3000枚くらいで抑えられているのか? それは輸入盤は買わないルールを定めているから。セラビーは国内盤しか買わないことに決めている。
本当は輸入盤も購入したい。難くせ付けて「輸入盤の国内盤仕様」は自分の中でOKにしてきたが,大好きなMMWとかは国内盤仕様ですら発売させる雰囲気がない。これは非常にまずい状況なので,今後配信が始まったら海外サイトからダウンロードして買うつもりである。ただしCD盤としての輸入盤は買わない。一旦買い始めたら底なし沼にハマッテ生計が成り立たなくなる危険大…。
そう。輸入盤は破産防止のための自主規制。本当の管理人は「輸入盤ウォッチャー」である。だから話題の輸入盤が1年遅れで国内盤になって発売されることが決まれば大はしゃぎ。
そんな管理人が,国内盤初リリースのニュースに飛びついたのが「輸入盤界隈の隠れエース」こと?エヴァンス派”バート・シーガーの『OPEN BOOK』(以下『オープン・ブック』)である。
管理人が思うバート・シーガーの特徴とは,情緒豊かな美しいメロディーの創造者であって,アメリカ人なのに日本人っぽい親しみやすさを有するところである。優しいタッチのクセして,心のツボをズボズボ突いてくる。
安定したスタンスと精確な歩運びで,輪郭も明瞭にキレのある軌跡を描いてゆく。透明感に満ちた硬質で端正でリリカルなピアノがモノトーン調のクール・ジェントルな絵を描いていくニュアンスである。
詩的情緒性やメロディーの美を何より重んじるオーソドックスでスインギー奏演なので,一聴,平易で明快な演奏に思えるが,聴けば聴くほど,ある種の几帳面さ・精巧さが備わった「匠の業」で構成されている。ピリッとしたビターで格式めいた余韻が残る。音楽の広がりが深遠に増してゆく。
どうですか? エヴァンス派の中の正統エヴァンス派,バート・シーガーのピアノ・トリオの素晴らしさは!
さて,ここまではバート・シーガーのピアノの響きについて書いてきたが,バート・シーガーの真の魅力とは,含蓄豊かなインタープレイに尽きる。
『オープン・ブック』を繰り返し聴いていると,いつしかバート・シーガーのピアノが消え去り,ホルヘ・ローダーのベースと池長一美のドラムだけが鳴っているように感じるようになった。
ホルヘ・ローダーのベースがピアノが鳴り出す前に「猪突猛進」してピアノの進むべき空間を開けていく。池長一美のドラムが実に繊細であって,ピアノが鳴り出す前にキャンバス全体に構図をデッサンする。
これってつまり,ホルヘ・ローダーも池長一美も,バート・シーガーがピアノを弾き始めると同時にバート・シーガーの意図を掴んで反応するということ。
バート・シーガーの仕事はここでほとんど終わっている。だからピアノの音は消え去ろうとも,つまりベースとドラムの後ろでピアノがそっと鳴ろうとも,俄然ピアノの音が鳴っている。
「IT’S A PIANO TRIO」! 「IT’S A BERT SEAGER’S PIANO TRIO」!
01. Bach's Lunch
02. Bunny Dune
03. Snow Sprite
04. Everything I Love
05. Open Book
06. The Raft
07. I Loves You Porgy
08. My Funny Valentine
09. Wisteria
BERT SEAGER : Piano
JORGE ROEDER : Bass
KAZUMI IKENAGA : Drums
しかしこの世界は「CD1000枚,2000枚は当たり前」とされる世界である。「上には上」がいる。しかも相当の人数がいる。決して軽口などたたけるレベルではないのだ。
おおっと,何だか書きたいことから逸れてしまった。管理人が本当に書きたかったのは「セラビー,よくぞ3000枚越えで踏みとどまっている」の方なのだ。本当はもっともっと上限枚数にいっているはず。
ではなぜ3000枚くらいで抑えられているのか? それは輸入盤は買わないルールを定めているから。セラビーは国内盤しか買わないことに決めている。
本当は輸入盤も購入したい。難くせ付けて「輸入盤の国内盤仕様」は自分の中でOKにしてきたが,大好きなMMWとかは国内盤仕様ですら発売させる雰囲気がない。これは非常にまずい状況なので,今後配信が始まったら海外サイトからダウンロードして買うつもりである。ただしCD盤としての輸入盤は買わない。一旦買い始めたら底なし沼にハマッテ生計が成り立たなくなる危険大…。
そう。輸入盤は破産防止のための自主規制。本当の管理人は「輸入盤ウォッチャー」である。だから話題の輸入盤が1年遅れで国内盤になって発売されることが決まれば大はしゃぎ。
そんな管理人が,国内盤初リリースのニュースに飛びついたのが「輸入盤界隈の隠れエース」こと?エヴァンス派”バート・シーガーの『OPEN BOOK』(以下『オープン・ブック』)である。
管理人が思うバート・シーガーの特徴とは,情緒豊かな美しいメロディーの創造者であって,アメリカ人なのに日本人っぽい親しみやすさを有するところである。優しいタッチのクセして,心のツボをズボズボ突いてくる。
安定したスタンスと精確な歩運びで,輪郭も明瞭にキレのある軌跡を描いてゆく。透明感に満ちた硬質で端正でリリカルなピアノがモノトーン調のクール・ジェントルな絵を描いていくニュアンスである。
詩的情緒性やメロディーの美を何より重んじるオーソドックスでスインギー奏演なので,一聴,平易で明快な演奏に思えるが,聴けば聴くほど,ある種の几帳面さ・精巧さが備わった「匠の業」で構成されている。ピリッとしたビターで格式めいた余韻が残る。音楽の広がりが深遠に増してゆく。
どうですか? エヴァンス派の中の正統エヴァンス派,バート・シーガーのピアノ・トリオの素晴らしさは!
さて,ここまではバート・シーガーのピアノの響きについて書いてきたが,バート・シーガーの真の魅力とは,含蓄豊かなインタープレイに尽きる。
『オープン・ブック』を繰り返し聴いていると,いつしかバート・シーガーのピアノが消え去り,ホルヘ・ローダーのベースと池長一美のドラムだけが鳴っているように感じるようになった。
ホルヘ・ローダーのベースがピアノが鳴り出す前に「猪突猛進」してピアノの進むべき空間を開けていく。池長一美のドラムが実に繊細であって,ピアノが鳴り出す前にキャンバス全体に構図をデッサンする。
これってつまり,ホルヘ・ローダーも池長一美も,バート・シーガーがピアノを弾き始めると同時にバート・シーガーの意図を掴んで反応するということ。
バート・シーガーの仕事はここでほとんど終わっている。だからピアノの音は消え去ろうとも,つまりベースとドラムの後ろでピアノがそっと鳴ろうとも,俄然ピアノの音が鳴っている。
「IT’S A PIANO TRIO」! 「IT’S A BERT SEAGER’S PIANO TRIO」!
01. Bach's Lunch
02. Bunny Dune
03. Snow Sprite
04. Everything I Love
05. Open Book
06. The Raft
07. I Loves You Porgy
08. My Funny Valentine
09. Wisteria
BERT SEAGER : Piano
JORGE ROEDER : Bass
KAZUMI IKENAGA : Drums
(クラウド/CLOUD 2012年発売/DDCJ-4008)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/バート・シーガー,杉田宏樹,夢枕獏)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/バート・シーガー,杉田宏樹,夢枕獏)