ジャズ界にはビル・エヴァンスが2人いる。
このように書くと“ジャズの巨人”ピアノのビル・エヴァンスと比較される,もう1人のビル・エヴァンスがかわいそうと思うなかれ!
確かにピアノのビル・エヴァンスと比較すると「じゃない方」には小者感が出るのであるが,どうしてどうして…。
その「じゃない方」のビル・エヴァンスも,マイルス・デイビス・バンドのメンバーなのである。ビル・エヴァンスと来れば,あなたはどっちのビル・エヴァンスを連想されますか?
その「じゃない方」のビル・エヴァンスとはサックス奏者のビル・エヴァンス。
『SUMMERTIME』(以下『サマータイム』)は,そんなビル・エヴァンスの純ジャズ・アルバムである。
普段のビル・エヴァンスの主戦場はジャズ系ではなくフュージョン系なのだが『サマータイム』のビル・エヴァンスがジョン・コルトレーンを超えていく。
そう。ビル・エヴァンスのルーツは間違いなくジャズにある。
【MY SHIP】【SUMMERTIME】【ALL OF YOU】【JITTERBUG WALTZ】のジャズ・スタンダードにおけるストレート・アヘッドな演奏からは,ビル・エヴァンスが持つ豊かなハーモニー・センスと繊細なニュアンス表現に“うっとり”させられてしまう。
スタンダードの解釈がポップに響いているのは,これぞフュージョン系の真骨頂だと100%受け入れる。
斬新なスタンダード集として「一喝」するギリギリの線で,JAZZYなアドリブが入ってくるから100%受け入れる。
フュージョンの仮面を被った“ジャズメン魂”の「チラミセ」が,いやらしくなく,わざとらしくない。
仮にビル・エヴァンスが『サマータイム』のアコースティック路線を続けていたら,冗談ではなく,ビル・エヴァンスと来ればサックス,という時代が到来したようにも思う。← いいや,それぐらいではまだまだぁ。ピアノのビル・エヴァンスの壁はとんでもなく高い!
事実『サマータイム』でビル・エヴァンスが共演したのは,ピアノのギル・ゴールドスタイン,ギターのチャック・ローブ,ドラムのダン・ゴットリーブ,ベースのマーク・ジョンソンの超大物スーパー・ミュージシャンの面々。
こんな全員がリーダーを張れるサイドメンを引き連れての「極上スタンダード集」を制作できる辺りが,サックスのビル・エヴァンス「超大物」の証し!
01. Chatterton Falls
02. Let's Pretend
03. Melvin's Pond
04. My Ship
05. Summertime
06. Arther Ave
07. All of You
08. These Dreams
09. Jitterbug Waltz
10. Red Scarf
11. Kwitchur Beliakin
BILL EVANS : Saxophone
GIL GOLDSTEIN : Piano
CHUCK LOEB : Guitar
DANNY GOTTLIEB : Drums
MARC JOHNSON : Bass
このように書くと“ジャズの巨人”ピアノのビル・エヴァンスと比較される,もう1人のビル・エヴァンスがかわいそうと思うなかれ!
確かにピアノのビル・エヴァンスと比較すると「じゃない方」には小者感が出るのであるが,どうしてどうして…。
その「じゃない方」のビル・エヴァンスも,マイルス・デイビス・バンドのメンバーなのである。ビル・エヴァンスと来れば,あなたはどっちのビル・エヴァンスを連想されますか?
その「じゃない方」のビル・エヴァンスとはサックス奏者のビル・エヴァンス。
『SUMMERTIME』(以下『サマータイム』)は,そんなビル・エヴァンスの純ジャズ・アルバムである。
普段のビル・エヴァンスの主戦場はジャズ系ではなくフュージョン系なのだが『サマータイム』のビル・エヴァンスがジョン・コルトレーンを超えていく。
そう。ビル・エヴァンスのルーツは間違いなくジャズにある。
【MY SHIP】【SUMMERTIME】【ALL OF YOU】【JITTERBUG WALTZ】のジャズ・スタンダードにおけるストレート・アヘッドな演奏からは,ビル・エヴァンスが持つ豊かなハーモニー・センスと繊細なニュアンス表現に“うっとり”させられてしまう。
スタンダードの解釈がポップに響いているのは,これぞフュージョン系の真骨頂だと100%受け入れる。
斬新なスタンダード集として「一喝」するギリギリの線で,JAZZYなアドリブが入ってくるから100%受け入れる。
フュージョンの仮面を被った“ジャズメン魂”の「チラミセ」が,いやらしくなく,わざとらしくない。
仮にビル・エヴァンスが『サマータイム』のアコースティック路線を続けていたら,冗談ではなく,ビル・エヴァンスと来ればサックス,という時代が到来したようにも思う。← いいや,それぐらいではまだまだぁ。ピアノのビル・エヴァンスの壁はとんでもなく高い!
事実『サマータイム』でビル・エヴァンスが共演したのは,ピアノのギル・ゴールドスタイン,ギターのチャック・ローブ,ドラムのダン・ゴットリーブ,ベースのマーク・ジョンソンの超大物スーパー・ミュージシャンの面々。
こんな全員がリーダーを張れるサイドメンを引き連れての「極上スタンダード集」を制作できる辺りが,サックスのビル・エヴァンス「超大物」の証し!
01. Chatterton Falls
02. Let's Pretend
03. Melvin's Pond
04. My Ship
05. Summertime
06. Arther Ave
07. All of You
08. These Dreams
09. Jitterbug Waltz
10. Red Scarf
11. Kwitchur Beliakin
BILL EVANS : Saxophone
GIL GOLDSTEIN : Piano
CHUCK LOEB : Guitar
DANNY GOTTLIEB : Drums
MARC JOHNSON : Bass
(ジャズシティ/JAZZCITY 1989年発売/D22Y0336)
(ライナーノーツ/ビル・ミルコウスキー)
(ライナーノーツ/ビル・ミルコウスキー)