PRESENT-1 TRIXの“最高傑作”が『PRESENT』である。

 『PRESENT』の何がそんなにいいかと言えば,まず曲がいい。でもTRIXにはたくさんの名曲が他にもある。
 次に演奏がいい。加入4作目となり佐々木秀尚が完璧にフィットしたからだろう。でもTRIXには,平井武士との第一期,菰口雄矢との第二期,窪田宏との第三期にもたくさんの名演が他にもある。

 ズバリ『PRESENT』の何がそんなにいいかと言えば,メロディーや超絶技巧うんうんではない。それは全体の雰囲気のことであり,笑顔ならぬ“笑音”で満ち溢れている状態にある。
 とにかく『PRESENT』の“笑音”こそがTRIXそのものだと断言できる。『PRESENT』の“笑音”こそがTRIXの真髄の極みなのである。

 TRIXのメンバー4人が全員笑顔で演奏している。一音出しては爆笑している。ちょっと演奏しては「笑い転げて」止まってしまう。やることなすこと全てがメンバー4人のツボにハマった音楽が『PRESENT』なのである。
 『PRESENT』のレコーディング中は,それは演奏するのが楽しくて楽しく,寝食を忘れてしまったかも? 「三度の食事より音楽が好き」状態なハイテンション・レコーディング。コロナ禍だったし美味しいデリバリーは取ったでしょうね。「三度の食事より一日五回のデリバリー」。うん。

PRESENT-2 『PRESENT』を聴いていると,今が新型コロナウイルス感染症の真っ只中,だということを忘れてしまう。こんなにもHAPPYな音楽はビフォー・コロナの音世界とも取ることができる。
 しかし,TRIXとしては,T−スクェアが「日本もこれから元気になりましょう。羽ばたき続けましょう」という意味で「震災復興応援盤」『WINGS』を作った時と同じ心境だったのだと思う。

 そう。『PRESENT』とは,毎日必死にコロナ禍と戦う世界中の人々に贈られたTRIXからのプレゼント
 明るく楽しくポジティブな楽曲が続く「ハッピー&ピースフル」な『PRESENT』こそが,世界一の「コロナ禍応援盤」である。在宅の時間が長くなり,そのせいでいつも以上にCDを聴いているのだが,管理人が2021年に一番聴いたアルバムこそがTRIXの『PRESENT』である。間違いない。

 コロナ疲れには「ビタミン・TRIX」が効果的である。人との距離は保っても心の距離は置かないのが「ビタミン・TRIX」。メンバーとファンとの心の距離は確実にコロナ前よりも縮まっている。
 そんなに大きくはないTRIXメンバーとファンとのコミュニティーは,超密集で蝶密接。でも密閉ではありません。だって『PRESENT』は世界中の人々に向けてOPENに開かれています。もっともっと大勢の音楽ファンに集まってきてほしいものです。「ビタミン・TRIX」は絶対に心に届くから!

PRESENT-3 コロナ禍に加えて,もう1点『PRESENT』が“TRIXの全部出し”になった理由が,前作『ECCENTRIX』の反動があるように思う。
 「そこまでやるか!」的な凝りに凝りまくった『ECCENTRIX』の「やり尽くした感」が『PRESENT』の小細工なしの,ナチュラルでストレートなサウンド・カラーに繋がったと思う。

 仮に第四期TRIXが2作続けて『ECCENTRIX』路線で攻めて来たら,コロナ以上の大打撃「ビタミン・TRIX」などではなくなるから〜。聴いているTRIXファンはたまったものじゃないすから〜。
 熊ちゃん,願わくば『ECCENTRIX』路線と『PRESENT』路線を交互にお願いしたいものです。

PS 「PRESENT-3」は販促用のステッカーです。

 
01. プレゼント
02. TERMINAL
03. AI
04. てぶくろ
05. 戦士 (T-8000)
06. ULTRASONIC VIBRATION
07. SPRIGHTLY
08. WEDELN
09. GOODEEE

 
TRIX
NORIAKI KUMAGAI : Drums
MITSURU SUTOH : Bass
HIDEHISA SASAKI : Guitar
AYAKI : Keyboards

(キングレコード/KING RECORD 2020年発売/KICJ-841)

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