
無論,演奏は凄い。しかしこれ見よがしにテクニックで圧倒されることがない。上手く表現できないが,音楽少年に特有の“人柄の良さ”を感じるのである。
ライブに行って良かった。T−スクェアと出会えて良かった。ライブの感動が後から後から込み上げてくる。これは上質な映画を見終わった後に感じる心地良さ。自分が“気高く”なったかのような錯覚を感じて帰宅する。
そんな管理人が選ぶ“品の良い”T−スクェアのライブDVDが『LIVE “NATURAL”』(以下『ライヴ“ナチュラル”』)である。
『ライヴ“ナチュラル”』は『ナチュラル』を“地”で行く,北海道・旭川での特設野外ライブ! 演奏の合間に映し出される雄大な自然の美しさとベスト・マッチング!
この開放感を“野外ならでは”と感じるのが普通なのでしょうがそれは間違いである。この感じはホールでのライブと同じ。スクェアはスクェア。どこで演ろうともT−スクェア100%。この“ほのぼの感”こそがT−スクェア特有のライブの“味”なのである。
そう。北海道なのにアロハ・シャツ! ストさんは遅刻する! そんな“気取らず飾らず”なT−スクェアの5人が汗だくになって熱演する! 【DAISY FIELD】が超・気持ちいい〜! 観客は皆,笑顔&笑顔のピクニック気分! 心なしかバックのウシさんも和んでいます。
本田雅人派の管理人ですが,やっぱり伊東たけしはいい! 『ナチュラル』を最後に伊東たけしはT−スクェアを退団してしまったので『ライヴ“ナチュラル”』を見ていると,余計に伊東たけしの存在の大きさが実感できる。
「伝説の5人」と讃えられる,安藤まさひろ+伊東たけし+和泉宏隆+則竹裕之+須藤満でのT−スクェアがバンドの黄金期で間違いありません。

全体として一番調子良いのは和泉宏隆! 一人だけ正装して野外ライブに臨んだ気合い勝ち! 【DAISY FIELD】でのピアノ・ソロでは観客全員が美メロのアドリブに引き込まれてしまっています。
則竹裕之と須藤満のドラムン・ベース・デュオは完成の域に達している。則竹さんと来れば【WHITE MAN】での“シェイカー姿”はお宝映像でしょう。
しかし最大のお宝は“地蔵ギター”の安藤まさひろの足が軽くステップしている! ロック調8ビートが安藤まさひろを変革中の衝撃映像にニンマリである。
ライブの最後で伊東たけしが「また会おうね」を連呼していたが次のライブで伊東たけしに会えたのは10年後の真実!
今となっては笑い話ですが,本田雅人時代,宮崎隆睦時代には,伊東たけし時代の『ライヴ“ナチュラル”』を見て涙していたことを覚えている。しばらくお蔵入りでした。
そして今,管理人のお蔵リストには『ライヴ“ナチュラル”』に代わって本田期のDVDが収められている。泣。
01. CONTROL
02. DAISY FIELD
03. WHITE MANE
04. WIND SONG
05. DUO
06. MORNING STAR
07. RADIO STAR
08. TRUTH
T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Guitar
TAKESHI ITOH : Alto Saxophone, EWI
HIROTAKA IZUMI : Keyboard
HIROYUKI NORITAKE : Drums
MITSURU SUTOH : Bass
(ソニー/SONY 1990年発売/SRBL-1213)
イザヤ書52章 良い知らせを持ってくる者の足は美しい
渡辺貞夫 『マイシャ』