
解散ライブ当日は高校生していた管理人。バナナホールへ行けるはずもない。翌月のジャズ雑誌に載せられたLIVEレポートを読んで唇を噛んだものだ。その後,実に20年間もの長い間,地団駄を踏むことになる。
ナニワ・エキスプレスのライブはFMで何回も聴いていた。素晴らしい。凄い。死んだ。そんな評判なら想像できる。しかし「あれを見逃したとは残念だったね」。そう言われた身になってごらんなさい。NANIWAの大ファンとしては,一生の傷となり引きずってしまうのだから…。
そんな管理人の心の傷が20年ぶりに癒された。20年間の地団駄に決別できた。DVD『FIRST FINAL 1986 〜伝説の86年バナナホール解散LIVE!』の発売である。
いつの時代も噂話には尾ひれがついて広まるものだが『FIRST FINAL 1986 〜伝説の86年バナナホール解散LIVE!』を自分の目で見て「あの噂は本当だった」を実感した。素晴らしい。凄い。管理人もしばらく死んだ。KOされてしまったのだ。
とにかくド派手! バカテク・フュージョン・バンド=ナニワ・エキスプレスは,破れかぶれのハチャメチャなのに美しい。
自己主張する個性的なメンバーのライブ・パフォーマンスはアドリブも含めたエンターテイメント! 隙あらば前へ前へ! 最強にして究極にイカシタ(イカレタ)浪花の“伝説のライブ・バンド”の大登場!
もうこの大迫力は,画面からNANIWAの5人が飛び出してきそう。いや,逆に画面の内にダイブしたくなる程の興奮のるつぼ。大事な解散ライブであることをNANIWAの5人も観客も忘れて,この一瞬に大熱狂している。
清水興がステージ狭しと走りまくれば,東原力哉がドラムを叩きまくる。とにかくダイナミックなアクションは八方破れ! なんと!矢沢永吉が混じっている。あっ,清水興だったか…。
ナニワ・エキスプレスは,とにかく爆音! 特に“看板”であるベースの清水興とドラムの東原力哉の重低音は音楽バランスを無視したものである。

“NANIWA EXPRESS IS…”のテロップで始まり,番組のエンドロールも終わってアンコールコールの中“NANIWA EXPRESS WAS…”のテロップで終わっていく。
J−フュージョンのピーク時に解散した伝説。バンドの人気上昇時に解散した伝説。あのままNANIWAを続けていたら,ますます人気が出たことと思うが,こんな破天荒なライブは続けられなかったことだろう。NANIWAの5人は青春を完全燃焼することを選んだのだ。
NANIWAのようなフュージョン・バンドは唯一無二。J−フュージョンの最盛期と共にナニワ・エキスプレスが駆け抜けた。
01. BETWEEN THE SKY AND THE GROUND
02. BELIEVIN'
03. NIGHT FLOWER
04. JASMIN
05. BOYS BE GO GO
06. ORIENTAL MAKIN' LOVE
07. LOVING YOU,SOMETIMES LEAVING YOU
08. CHARCOAL BREAK
09. 大宇宙無限力神
10. METEOR
特典映像:4分割秘蔵映像
01. OLINO <本編未収録曲>
02. JASMIN
NANIWA EXPRESS
KOH SHIMIZU : Bass
KAZUHIKO IWAMI : Guitar
KENJI NAKAMURA : Keyboard
MAKOTO AOYAGI : Keyboard, Tenor saxophone
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums
(ソニー/SONY 2007年発売/MHBL-46)
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ポール・モチアン 『ビル・エヴァンスに捧ぐ』