
異論がある? ではマーカス・ミラーのライブDVD『SO WHAT?』を視聴してほしい。
討論はその後である。見れば納得!なのだから…。
最高の演奏である。マーカス・ミラーの全体のサウンドを見渡すバランス感覚が素晴らしい。そして,このハイレベルな演奏を分かりやすく“魅せる”一流のパフォーマンス! マーカス・ミラーのライブは,いつでもエンターテイメント・ショーなのだ。
『SO WHAT?』は,1998年の「JAZZ BALTICA」と2003年の「JAZZ LINE」の2部構成。
「JAZZ BALTICA」の【TUTU】はフィーチャリング・マイルス・デイビス! 仮想マイルス・デイビスのマイルス・チルドレン=マイケル‘パチェス’スチュワート! パチェス・スチュワートがミュートからオープンに切り替える瞬間の“ゾクゾク感”!
後半はプージー・ベルのドラミングが冴え渡る中,ハイラム・ブロックのギターが全てを切り裂いていく! ステージを支配し観客をも支配する。パチェス・スチュワートを押しのけて全てを持っていく! ハイラム・ブロックは“ギター・ヒーロー”である。
【TUTU】のアクセントとしてのマーカス・ミラーの“ジャジーな”ベース・ソロは,フェンダー・ジャズベで表現できる“4弦の芸術品”である。
『SO WHAT?』のハイライトは【PANTHER】! 【PANTHER】を見たい。毎日見たい。いつでも見たい。“世界最高峰のベーシスト”マーカス・ミラーの大降臨!
2回に渡る最強のベース・ソロでは,世界中の凄テク・ベーシストたちの悲鳴が聞こえてきそうです。もうやめて。いや,やめないで。問答無用のベース・ソロがハイライト!
【AMAZING GRACE】〜【STRANG FRUIT】〜【MAPUTO】。今度は“マルチ・プレイヤー”マーカス・ミラーの大降臨! 【AMAZING GRACE】【STRANG FRUIT】でのバス・クラリネットに【MAPUTO】でのソプラノ・サックスは,本職であるはずのロジャー・バイアムを完全に“喰ってしまっている”。
マーカス・ミラーの“プロ顔負け”のソプラノ・サックスを間近で見せつけられたロジャー・バイアムがスパークするも「時すでに遅し」。マーカス・ミラーはその場を立ち去り,さらに遠くへ…。
【COME TOGETHER】におけるマーカス・ミラーのイントロでの妙技は必見! 4人での「アヒルの行進」なのだが,ロジャー・バイアムだけが「ショーマン・シップ」できていないのが残念である。
やっぱりマーカス・バンドのサックス奏者はケニー・ギャレットこそ最強である。

「JAZZ LINE」のステージで多用される,メンバー全員のソロ廻しに,マーカス・ミラーのジャズ観が漂っているように思える。
特にギターのディーン・ブラウン! エレアコのボトルネックを指にはめたまま演奏するスライド奏法と,あの引きつったようなディーン・ブラウン特有のノリがバッチリハマッテいる。
ディーン・ブラウンにとっては,マーカス・ミラーのステージこそ最高の快感を味わえる場所なのだと思う。“プロデューサー”マーカス・ミラーの天賦の才能はライブで炸裂する! 管理人はマーカス・ミラーを神と信じる。
JAZZ BALTICA 1998
01. TUTU
02. PANTHER
03. STRANGE FRUIT
04. MAPUTO
05. COME TOGETHER
MARCUS MILLER : Bass, Soprano Sax
HIRAM BULLOCK : Guitar
MICHAEL "PATCHES" STEWART : Trumpet
ROGER BYAM : Tenor Sax
LEROY DAVIS : Keyboards
CHORLES "POOGIE" BELL : Drums
JAZZ LINE 2003
06. SO WHAT
07. ETHOPIA
MARCUS MILLER : Bass, Soprano Sax
DEAN BROWN : Guitar
MICHAEL "PATCHES" STEWART : Trumpet
ROGER BYAM : Tenor Sax
BRUCE HOWERS : Keyboards
CHORLES "POOGIE" BELL : Drums
(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2005年発売/FSVD-003)
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