LIVE AT MONTREUX 1986-1 『BREEZIN’』での【THIS MASQUERADE】の大ヒット以来『WEEKEND IN L.A.』での【GREATEST LOVE OF ALL】や『IN YOUR EYES』での【FEEL LIKE MAKIN’ LOVE】等,AOR系のボーカリストとしての印象が強くなった“ジャズ・ギタリストジョージ・ベンソン

 しかし,DVDLIVE AT MONTREUX 1986』(以下『ライブ・アット・モントルー 1986』)におけるジョージ・ベンソンはアスリート? 筋肉ムキムキなマッチョ体型は短距離走者並みに鍛え上げられているのが印象的。

 (失礼。話を戻して)DVDライブ・アット・モントルー 1986』は『20/20』のフォロー・ツアーゆえ“ボーカリストジョージ・ベンソン全開かと思いきや「モントルー・ジャズ・フェスティバル」の看板が効いたのか“ジャズ・ギタリストジョージ・ベンソンの面影を見つめることができる。

 “ジャズ・ギタリスト”のジョージ・ベンソンが大好きなら期待値以上に楽しめること間違いなし。『ライブ・アット・モントルー 1986』こそ“ボーカリストジャズ・ギタリストな”この時代のジョージ・ベンソンベストライブ。歌ものとインストのバランスが適度だと思う。

 管理人の大・大好きな【OFF BROADWAY】を含めた本編16曲のボーカルギターの「エンターテイメント・ショー」も素晴らしいが『ライブ・アット・モントルー 1986』のハイライトはアンコール2曲。
 【TAKE FIVE】と【ON BROADWAY】の大名演が見られるだけでも『ライブ・アット・モントルー 1986』は“買い”である。

 ウェス・モンゴメリー系のハード・バップな【TAKE FIVE】のギターが強力。アドリブが強烈。“ジャズ・ギタリストジョージ・ベンソンがオクターブ奏法で“弾きまくる”。
 アンコールに合わせて真っ赤なノースリーブに衣装チェンジしたばっかりなのに,もう汗だく〜。アドレナリンでまくり〜。

 そして,どうしても見逃せないのが【TAKE FIVE】1曲のみゲスト参加した渡辺貞夫〜。
 ジョージ・ベンソンの物凄いソロを引き継いでジャムの流れを作り出す本気のアドリブを披露している。
 ここでのナベサダ,頑張っているなぁ〜。気合入っているなぁ〜。渋いよなぁ〜。完全にナベサダの世界だわぁ〜。

 そんな渡辺貞夫の“ジャズメン魂”のハシゴが外され“拍子抜け”な感じで退場した後に開かれる「お祭り大会」=【ON BROADWAY】。
 【ON BROADWAY】では,1曲目からノリノリで,足でタンバリンを廻しながら腰でベースを弾きまくっていたスタンリー・バンクスは勿論のこと,3人のブラス隊までもがステージ上を大暴れ。フリューゲル・ホーンアルト・サックステナー・サックスがぶつからんばかりに走りまくっている。

 そんな祭りに火をつけたのがジョージ・ベンソンボーカルギターによる1人ユニゾン・スキャット。この“伝家の宝刀”が炸裂した瞬間,観客が釘ずけ! こんな名人芸はジョージ・ベンソン以外にはリチャード・ボナぐらいしかできっこない!

LIVE AT MONTREUX 1986-2 ノリノリの会場がジョージ・ベンソンの1人ユニゾン・スキャット開始で静まり返る。そしてジョージ・ベンソンの1人ユニゾン・スキャット終了と共に大騒ぎ再開。しまいにはウィリアム“ブッバ”ブライアントドラムソロに合わせて振り付けて〜のダンス。
 観客熱狂。管理人も熱狂。熱狂の夜。モントルー・ジャズ・フェスティバルの夜。

 最後に『ライブ・アット・モントルー 1986』におけるジョージ・ベンソンの出演メモ。

 1曲目はボーカルのみ。2,3,4曲目はギターのみ。5曲目はボーカルのみ。6曲目はボーカルギター。7曲目はボーカルのみ。8曲目はボーカルギター。9,10曲目はギターのみ。11曲目はボーカルギター。12,13,14,15,16曲目はボーカルのみ。17曲目はギターのみ。18曲目はボーカルギター

 こうやって書き出すとギターよりもボーカルの出番が多すぎる!? でもでもジョージ・ベンソンが気持ち良く歌っているからそれでいい。ギターの時がボーカルの時よりも気持ち入っているのでそれでいい。ジョージ・ベンソンがカッコいい。

 
01. Feel Like Making Love
02. Off Broadway
03. Weekend In L.A.
04. Omar's Tune
05. Lady Love Me (One More Time)
06. Love Ballad
07. Moody's Mood
08. Beyond The Sea
09. Affirmation
10. My Latin Brother
11. Love X Love
12. In Your Eyes
13. The Greatest Love Of All
14. 20/20
15. Never Give Up On A Good Thing
16. Turn Your Love Around
17. Take Five
18. On Broadway

 
GEORGE BENSON : Guitar, Vocal
BARNABY FINCH : Piano
DAVID GARFIELD : Keyboards
STANLEY BANKS : Bass
MICHAEL O' NEIL : Guitar, Background Vocal
BUBBA BRYANT : Drums
VICKI RANDLE : Percussion, Background Vocal
STEVE TAVAGLIONE : Alto Sax, Flute
BRANDON FIELDS : Tenor Sax
RALPH RICKERT : Trumpet, Flugelhorn

(ビデオアーツ/VIDEOARTS 2005年発売/VABG-1201)
(ライナーノーツ/グレアム・ベッツ)

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エホアシュ,アマジヤ,およびウジヤの治世は各々良い状態で始まるが,悪い状態で終わる(歴二24:1-26:23)
秋吉敏子 『アメイジング・トシコ・アキヨシ