パット・メセニーの「UNITY BAND」 → 「UNITY GROUP」プロジェクトの集大成となるDVD『THE UNITY SESSIONS』(以下『ユニティ・セッションズ』)。
『ユニティ・セッションズ』の映像から「何もそこまでしなくても」的なパット・メセニーの「濃厚すぎる今!」が伝わってくる。
ついに「パット・メセニー・グループ」の『THE WAY UP』を超えてきたか?
当然と言えば当然なのだが,実に素晴らしい演奏である。パット・メセニーが,クリス・ポッターのサックスに,アントニオ・サンチェスのドラムに,ベン・ウィリアムスのベースに“ゾッコン”惚れ込んでいることが画面から(表情から)伝わってくる。
…で,管理人の結論。『ユニティ・セッションズ』批評。
管理人にとってパット・メセニーのイメージと来れば,いつまで経ってもECM時代のパット・メセニーのまんまである。
『BRIGHT SIZE LIFE』『PAT METHENY GROUP』『AMERICAN GARAGE』『OFFRAMP』『TRAVELS』の時のような,ボーダーシャツにジーンズで髪ぼさぼさなのに音楽だけは絶対に手を抜かない爽やかな好青年だった。
あれから30年。『ユニティ・セッションズ』は凄いんだけど,聴いていて楽しくはない。音数を詰め込みすぎでアレンジも凝りまくっている。手に汗握る展開が多くリラックスして楽しめない。
一体,いつ頃からパット・メセニーは「アーティスト気質」のジャズ職人になってしまったのだろうか? フュージョン界でアイドルしていた頃の面影が全く残されていない。
「ゲフィンは下品」で好きではないのだけど,今のパット・メセニーを聴くんだったらゲフィン時代のパット・メセニーを聴きたいと思う。
『ユニティ・セッションズ』の内容は最高なんだけど,パット・メセニーの“本物志向”が管理人の求めるパット・メセニーからどんどんどんどんレベルアップしてしまって,こちらが追いつけないというか…。
もうちょっとだけメセニー・ファンの期待も考慮してほしいと言うか,エンターテイメント性も考慮してほしいと言うか…。
クリエイティブな中身とは別の分野で不満が募ってしまいます。
実はこの『ユニティ・セッションズ』。パット・メセニーの「ステージ上は最高の客席というだけでなく,共演するミュージシャンの演奏を最も良く聴ける場所」との持論に基づく“鶴の一声”で「視聴者がバンドの視点で演奏を聴く」という録画方法へ変更・制作されたシロモノなのである。
一度は決まっていた10/10東京公演での撮影シューティングを白紙に戻してまで…。
『ユニティ・セッションズ』を見て,完璧な演奏に打ちのめされた管理人は,興奮して,しかしこうも思うのだった。
「これっ,本当は東京で撮影シューティングされる予定だったんだよなぁ。そして管理人と妻も写り込む予定だったんだよなぁ」。
そう。管理人にとって『ユニティ・セッションズ』とは「新婚旅行のメイン・コンテンツ」。挙式後すぐに旅行にはいかず“敢えて”パット・メセニーのシューティング・ライブの日程に新婚旅行を被せるという裏技。
でもでも『ユニティ・セッションズ』の,恐ろしい完成度&完璧な仕上りを見せつけられたら,もう愚痴なんてこぼせっこない。好き嫌いを越えた部分で感動が1曲毎に押し寄せる。
01. GENEALOGY
02. ON DAY ONE
03. THIS BELONGS TO YOU
04. ROOFDOGS
05. COME AND SEE
06. KIN
07. BORN
08. RISE UP
09. ADAGIA
10. SIGN OF THE SEASON
11. GO GET IT
12. CHEROKEE
13. POLICE PEOPLE
14. TWO FOLK SONGS (#1)
15. MEDLEY; PHASE DANCE / MINUANO / PRAISE / AS IT IS / OMAHA CELEBRATION /
ANTONIA / THIS IS NOT AMERICA / LAST TRAIN HOME
16. BONUS INTERVIEW
PAT METHENY UNITY GROUP
PAT METHENY : Electric Guitar, Acoustic Guitar, Guitar Synth, Electronics, Orchestrionics
CHRIS POTTER : Tenor Sax, Soprano Sax, Bass Clarinet, Flute, Guitar
ANTONIO SANCHEZ : Drums, Cajon
BEN WILLIAMS : Acoustic Bass, Electric Bass
GIULIO CARMASSI : Piano, Flugelhorn, Whistling, Synth, Vocals
『ユニティ・セッションズ』の映像から「何もそこまでしなくても」的なパット・メセニーの「濃厚すぎる今!」が伝わってくる。
ついに「パット・メセニー・グループ」の『THE WAY UP』を超えてきたか?
当然と言えば当然なのだが,実に素晴らしい演奏である。パット・メセニーが,クリス・ポッターのサックスに,アントニオ・サンチェスのドラムに,ベン・ウィリアムスのベースに“ゾッコン”惚れ込んでいることが画面から(表情から)伝わってくる。
…で,管理人の結論。『ユニティ・セッションズ』批評。
管理人にとってパット・メセニーのイメージと来れば,いつまで経ってもECM時代のパット・メセニーのまんまである。
『BRIGHT SIZE LIFE』『PAT METHENY GROUP』『AMERICAN GARAGE』『OFFRAMP』『TRAVELS』の時のような,ボーダーシャツにジーンズで髪ぼさぼさなのに音楽だけは絶対に手を抜かない爽やかな好青年だった。
あれから30年。『ユニティ・セッションズ』は凄いんだけど,聴いていて楽しくはない。音数を詰め込みすぎでアレンジも凝りまくっている。手に汗握る展開が多くリラックスして楽しめない。
一体,いつ頃からパット・メセニーは「アーティスト気質」のジャズ職人になってしまったのだろうか? フュージョン界でアイドルしていた頃の面影が全く残されていない。
「ゲフィンは下品」で好きではないのだけど,今のパット・メセニーを聴くんだったらゲフィン時代のパット・メセニーを聴きたいと思う。
『ユニティ・セッションズ』の内容は最高なんだけど,パット・メセニーの“本物志向”が管理人の求めるパット・メセニーからどんどんどんどんレベルアップしてしまって,こちらが追いつけないというか…。
もうちょっとだけメセニー・ファンの期待も考慮してほしいと言うか,エンターテイメント性も考慮してほしいと言うか…。
クリエイティブな中身とは別の分野で不満が募ってしまいます。
実はこの『ユニティ・セッションズ』。パット・メセニーの「ステージ上は最高の客席というだけでなく,共演するミュージシャンの演奏を最も良く聴ける場所」との持論に基づく“鶴の一声”で「視聴者がバンドの視点で演奏を聴く」という録画方法へ変更・制作されたシロモノなのである。
一度は決まっていた10/10東京公演での撮影シューティングを白紙に戻してまで…。
『ユニティ・セッションズ』を見て,完璧な演奏に打ちのめされた管理人は,興奮して,しかしこうも思うのだった。
「これっ,本当は東京で撮影シューティングされる予定だったんだよなぁ。そして管理人と妻も写り込む予定だったんだよなぁ」。
そう。管理人にとって『ユニティ・セッションズ』とは「新婚旅行のメイン・コンテンツ」。挙式後すぐに旅行にはいかず“敢えて”パット・メセニーのシューティング・ライブの日程に新婚旅行を被せるという裏技。
でもでも『ユニティ・セッションズ』の,恐ろしい完成度&完璧な仕上りを見せつけられたら,もう愚痴なんてこぼせっこない。好き嫌いを越えた部分で感動が1曲毎に押し寄せる。
01. GENEALOGY
02. ON DAY ONE
03. THIS BELONGS TO YOU
04. ROOFDOGS
05. COME AND SEE
06. KIN
07. BORN
08. RISE UP
09. ADAGIA
10. SIGN OF THE SEASON
11. GO GET IT
12. CHEROKEE
13. POLICE PEOPLE
14. TWO FOLK SONGS (#1)
15. MEDLEY; PHASE DANCE / MINUANO / PRAISE / AS IT IS / OMAHA CELEBRATION /
ANTONIA / THIS IS NOT AMERICA / LAST TRAIN HOME
16. BONUS INTERVIEW
PAT METHENY UNITY GROUP
PAT METHENY : Electric Guitar, Acoustic Guitar, Guitar Synth, Electronics, Orchestrionics
CHRIS POTTER : Tenor Sax, Soprano Sax, Bass Clarinet, Flute, Guitar
ANTONIO SANCHEZ : Drums, Cajon
BEN WILLIAMS : Acoustic Bass, Electric Bass
GIULIO CARMASSI : Piano, Flugelhorn, Whistling, Synth, Vocals
(ヤマハミュージックメディア/EAGLE VISION 2015年発売/YMBS-10596)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,杉田宏樹)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,杉田宏樹)